事業概況

業績等の概要

2024年5月

業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費や設備投資が持ち直す等、全体として緩やかに回復しております。一方で、地政学リスクの高まりにより不安定な国際情勢が続いており、依然として景気の先行きは不透明な状況にあります。
 当社グループが属する情報サービス産業においては、グローバル化、消費者ニーズの多様化及び国内労働力人口の減少等ビジネス環境の急速な変化や不確実性への対応を目的に、企業・行政のDXに対する意欲が高まり、IT投資を後押しすることから、引き続き成長が予想されております。
 当社グループは、「世界中のデータをつなぎ、誰もがデータを活用できる社会を作る。」をミッションに、50年を超えて培ったテクノロジーにより、金融業・流通小売業をはじめとする多種多様な業種向けシステム開発・運用等及びデータ連携サービスを提供しております。前連結会計年度にリリースしたiPaaS(クラウド型データ連携プラットフォーム)である「HULFT Square」を基盤として、より一層の事業構造変革を推し進めるべく、当連結会計年度は戦略として「4つのシフト」(事業シフト・技術シフト・組織シフト・人材シフト)を実行いたしました。
 このような中、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は23,864百万円(前連結会計年度比0.4%減)、営業利益は1,024百万円(同53.1%減)、経常利益は1,072百万円(同51.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は603百万円(同58.1%減)となりました。
 売上高は、HULFT事業及びデータプラットフォーム事業について増収となったものの、流通ITサービス事業及びフィナンシャルITサービス事業について減収となったこと等により、減収となりました。営業利益及び経常利益は、HULFT事業が順調に増益となった一方で、流通ITサービス事業において、受注損失引当金繰入額1,805百万円を売上原価に計上したこと等により、減益となりました。営業利益及び経常利益の減益に加えて、データプラットフォーム事業の減損損失等により、親会社株主に帰属する当期純利益は、大幅な減益となりました。
 当連結会計年度におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。以下、セグメント間取引については相殺消去しておりません。
 

HULFT事業

 HULFT事業は、国内データ連携ソフトウェアのスタンダードである当社の主力製品「HULFT」、「DataSpider Servista」及び関連製品群の販売・サポートサービスを提供しております。
 売上高は、ライセンス販売の増加及びサポートサービスの更新が順調に推移したこと等により、9,951百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。「HULFT」ライセンス販売は、レガシーシステム更改に伴う大型のデータ連携案件を獲得できたこと等により増加し、また「DataSpider Servista」ライセンス販売は、各企業内のDX化が進んだことでビジネス部門のIT活用が拡大したこと等により増加しております。当連結会計年度末現在におけるサポートサービス契約本数は、前連結会計年度より、「HULFT」は2,542本増加し62,434本、「DataSpider Servista」は303本増加し5,463本と順調に推移しております。営業利益は、売上高の増加等により、4,223百万円(同16.9%増)となりました。

データプラットフォーム事業

 データプラットフォーム事業は、当社の強みである「HULFT」、「DataSpider Servista」、「HULFT Square」を活用し、企業内・企業間のシステムやデータとSaaSをつなぐことで、業務効率化、経営情報可視化による意思決定支援及び経営刷新に繋げる各種サービスを提供しております。
 売上高は、DX領域が拡大したこと等により、2,481百万円(前連結会計年度比17.3%増)となりました。一方で、前連結会計年度までは、「HULFT Square」に関するコストを新サービスの研究開発として全社費用に計上しておりましたが、「HULFT Square」を2023年2月にリリースしたことに伴い、当連結会計年度よりデータプラットフォーム事業の原価に計上したこと等により、2,064百万円の営業損失(前連結会計年度は691百万円の営業損失)となりました。

流通ITサービス事業

 流通ITサービス事業は、流通小売業・航空業向けシステム開発・運用等を提供しております。
 売上高は、既存領域における情報処理サービスの減少等により、2,812百万円(前連結会計年度比8.9%減)となりました。また、開発を進めていた一部プロジェクトに高負荷が発生したことにより、この立て直しに必要な開発コストとして受注損失引当金繰入額1,805百万円を売上原価に計上しております。この結果、1,852百万円の営業損失(前連結会計年度は29百万円の営業利益)となりました。なお、当該プロジェクトの立て直しと生産性の改善に引き続き努めております。

フィナンシャルITサービス事業

 フィナンシャルITサービス事業は、金融業向けシステム開発・運用等を提供しております。
 売上高は、既存領域における情報処理サービスの減少等により、8,618百万円(前連結会計年度比9.1%減)となりました。営業利益は、売上高の減少等により、717百万円(同10.5%減)となりました。

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