2024年5月7日 更新

ポジティブフィードバックとは|メリットと効果を高める手順とコツを解説

ポジティブフィードバックとは、従業員のモチベーション向上だけではなく、人材育成や組織全体の成長にもつなげられる評価の手法。効果的に行うためには、手順とコツをしっかりと押さえて進めることが重要です。この記事では、ポジティブフィードバックの定義やメリット、手順について紹介します。効果を高めるためのコツと注意点も良かったら参考にしてください。

ポジティブフィードバックとは?

ビジネスシーンで広く取り入れられているポジティブフィードバック。まずはその定義やネガティブフィードバックとの違いについて見ていきましょう。  

ポジティブフィードバックの定義

ポジティブフィードバックとは、従業員の存在や行為、結果を肯定的に評価し、自発的な成長を促す手法のこと。ビジネスにおいては、組織内の人材育成に広く活用されています。例えば、チーム連携が必要な看護現場にも用いられています。ポジティブフィードバックは、口頭や文章によって指摘や評価を行うのが一般的です。

ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックとの違い

ネガティブフィードバックは、その名の通り、ポジティブフィードバックと対極にある手法。被評価者に対して否定的な表現を使って指摘する、いわゆる「叱咤激励」です。

ネガティブな表現を使ったフィードバックは、被評価者の意欲を低下させてしまうため、近年ではあまり使われていません。ただし、改善点をわかりやすく指摘できれば、「目標までの道筋が立てやすい」「問題点を自分で分析して状況を改善できるようになる」といったメリットもあります。

ポジティブフィードバックで得られる5つのメリット

ポジティブフィードバックを取り入れることで、評価される従業員の意欲が高まり成長を促すことができます。また、信頼関係の構築や業務進捗の把握といった組織全体のメリットもあります。ポジティブフィードバックで得られる5つのメリットを紹介します。    

従業員のモチベーション向上が期待できる

ポジティブな言葉を使いフィードバックすることで、評価された側は自己肯定感が高まり、モチベーションがアップします。「自分に期待してくれている」「自分の能力を評価してくれている」と感じて、その期待に応えるために仕事に意欲的になり、パフォーマンスを十分に発揮しやすくなります。

従業員の成長を促すことができる

良い点を評価されてモチベーションが高まると、さらに成長したいという気持ちが生まれるものです。目標達成に向けて積極的に動くようになり、業務への関心も高まるでしょう。自分の強みがわかり、その得意分野をさらに伸ばそうと成長するきっかけにもなります。

信頼関係が構築されやすい

ポジティブフィードバッグを通してコミュニケーションの機会が増えることで、信頼関係が構築されやすくなります。自分を否定しない信頼性のある人として評価者を見るようになり、円滑なコミュニケーションをとりやすくなります。

組織戦略やキャリア設計に活かしやすい

従業員の得意とすることがわかり、それを組織の戦略として適材適所で活かすこともできます。従業員も客観的に自分の価値が認識できるようになり、強みを活かしたキャリア設計が可能になります。

業務進捗や目標達成までの確認ができる

ポジティブフィードバックは、業務の進捗状況の把握や目標達成の確認ができるのもメリット。一方的な依頼ではなく会話をしながら進めるため、どのように目標達成していくのか相互で確認できます。従業員を観察する機会も増えることから、業務の進捗状況も把握しやすくなります。  

ポジティブフィードバックの手順

ポジティブフィードバックは、目標設定を行い評価と成果をしっかりと伝えること、フィードバックだけで終わらせないことが重要です。ポジティブフィードバックの手順を紹介します。

1. 従業員のレベルに合った目標を設定する

ハードルが高い目標を設定するとやる気を失う可能性があるため、まずは評価される従業員のレベルに合った目標を設定します。ただし、簡単に達成できる目標では意味がありません。従業員の現状を把握し、達成可能な目標設定を意識しましょう。

2. 良かった行動を具体的に評価する

どのような行動が良かったのかを具体的な表現で伝えましょう。「よくやった」「頑張った」という言葉だけでは、評価される側も上手く認識できません。具体的な表現で伝えることで、成功体験をより実感しやすくなります。

3. 得られた成果を通知する

従業員の行動によりもたらされた成果を伝えることで、達成感を得られるだけではなく、同じ成功の再現性も高まります。具体的には、「あなたの◇◇の行動が〇〇という成果をもたらした」と、行動と成果をセットにして伝えることが重要です。

4. 目標達成度と今後の課題を伝える

目標達成に向けたフィードバックの場合は、目標達成度とこれからの課題やアドバイスを伝えましょう。達成度の評価をもらうことで従業員の意欲が高まります。

これからどのように取り組んでほしいのか、具体的な課題とアドバイスがあると、次のステップへと進みやすいでしょう。目標達成とは異なる角度から見て良かった点も伝えると効果が高まります。

ポジティブフィードバックの効果を高めるコツ

ポジティブフィードバックは、事前準備とタイミング、他の手法を活用することでより効果を高められます。成果を出すための4つのコツを紹介します。

事前に総合的評価を行っておく

フィードバックをする前に、評価対象の業務をのぞいた総合的評価を行うことがコツ。評価を受ける従業員は緊張している可能性もあります。総合的な評価を取り入れることで、対象従業員の緊張がほぐれ雰囲気も和み、ポジティブフィードバックの効果を高められます。

業務の区切りにフィードバックする

フィードバックは、評価対象である業務が終わったタイミングでするのが理想です。タイミングが遅れると、評価される従業員も自身の行動を振り返るのが難しくなります。業務の区切りでタイミング良くフィードバックすれば、モチベーションもアップして成長や改善につなげられます。

サンドイッチ型手法を活用する

ポジティブな指摘の間にネガティブな指摘を挟む「サンドイッチ型」の手法を活用すると、より効果的です。「褒める→注意点や改善点を伝える→褒める」の流れで話を進めると、始めと終わりがポジティブなので、被評価者も前向きに捉えやすくなります。モチベーションを下げずに良かった点や改善点を理解してもらえる効果が期待できます。  

ピグマリオン効果とゴーレム効果を意識する

ピグマリオン効果とゴーレム効果を理解しておくと、より効果を発揮できます。ピグマリオン効果とは、被評価者に大きな期待をかけるとそれに応えようとして、成果が出やすくなる心理効果のこと。一方、ゴーレム効果とは、期待値が低いと被評価者のパフォーマンスも低くなる心理効果を指します。

ポジティブフィードバックでは、ピグマリオン効果を意識して、従業員に期待していることを伝え成長を促すのがコツです。

ピグマリオン効果とは?ビジネスシーンでの活用方法や注意点を解説

ピグマリオン効果とは、他者から期待を受けることで成果を生み出す心理効果です。コミュニケーションの活発化やモチベーション維持の目的で、人材育成や新人教育といったビジネスシーンでも活用されています。本記事では、ピグマリオン効果の定義や他の心理効果との違い、ビジネスシーンでの活用方法、活用する際の注意点を紹介します。

ポジティブフィードバックを取り入れる際の注意点

ポジティブフィードバックは、評価する側が主観的にならず、評価される従業員の立場に配慮することが重要。気を付けたい注意点について確認しておきましょう。

人前でフィードバックしない

他者に指摘内容を聞かれると、委縮して自信を失ってしまう人もいるので、人前でのフィードバックは避けたい行為。フィードバックは1対1で行うのが基本です。個室や会議室など第三者の耳に入らない場所で行いましょう。  

主観的な意見は述べない

独断と偏見が混じった主観的な意見では、説得力がなく被評価者からの信頼を損なうので要注意。客観的な視点やデータをもとに評価を行い、意見を伝えることが大切です。

ポジティブフィードバックを人材育成に役立てよう

ポジティブフィードバックは、対象者の良い点を具体的に評価するだけではなく、適切なタイミングで成果を伝え、今後のアドバイスまですることが重要です。客観的な評価を意識しつつ、他の手法も取り入れながらポジティブフィードバッグを人材育成に役立てましょう。

※記載の情報は、2023年11月時点の内容です。

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