2024年10月2日 更新

キャリアプランニングとは?メリットや実施方法を知って理想の自分になろう

キャリアプランニングとは、自分が将来どのようなキャリアを築きたいか検討し、実現までの筋道を立てることを言います。今後適切にキャリアを形成して、長期的に成長していくために欠かせない手法です。この記事では、キャリアプランニングの意味や実施するメリット、具体的な実施方法、実施する際の注意点について解説します。

理想の将来像を実現するために重要なキャリアプランニングとは

メモを書きながら目標を考える男性

理想の将来像に向かって適切にキャリア形成していく筋道を立てることをキャリアプランニングと言います。まずはキャリアプランニングの詳しい意味や重要性、類似用語との違いを知っておきましょう。

キャリアプランニングとは何か

キャリアプランニングとは、現在の仕事や興味関心を軸に自分の理想の将来像を思い描き、今後どのようにキャリアを積んでいくべきか考察することです。自分の夢や理想の姿を明確にし、それを実現するにはどうすべきか計画を立てます。

アメリカで広く用いられてきた考え方ですが、近年は日本でも定着してきています。とくに就活の場面でよく耳にしますが、すでに就職している人、転職を考えている人にとっても有効な考え方です。

キャリアプランニングが重要視されている理由

終身雇用制度が衰退した昨今では、自分自身のキャリアについて、各人が考えることが重要な時代になってきました。今後どうキャリアを築いていくのか、自分で考え能動的にキャリア形成をしていける人が現代では求められています。時代の変化に対応するため、また他人から与えられるのではなく自分で考えた未来に向かって成長していくために、キャリアプランニングが役立ちます。

キャリアビジョンとの違い

キャリアプランニングの類似用語として挙げられるキャリアビジョン。それぞれの違いは「具体性」です。キャリアビジョンとは、将来こうなっていたいという「理想像」を意味します。対してキャリアプランニングは、自分の将来の理想像を実現するためには現実的にどのようなプロセスが必要かを考え、計画を立てるところまで行います。

キャリアプランニングを実施するメリットとは

パソコンの前に座ってタスク整理をするビジネスマン

キャリアプランニングを実施すると、今後やるべきことが明確になり、効率良くスキルや経験を積んでいけるようになります。ここでは、キャリアプランニングのメリットについて紹介します。

今後の進路が明確になる

自分の理想を明確にし、冷静に計画を立てることで、「今自分が何をすべきか」「今後何をしていくべきか」の方向性が定まります。日々なんとなく業務に従事していた人も、キャリアプランニングにより今の課題や具体的に必要なアクションが浮き彫りになってくるでしょう。筋道が立つことで漠然とした不安が解消され、目標に向かって行動していけるようになります。

効率良くスキルアップできる

キャリアプランニングにより抽象的な夢から実現性のある目標に落とし込むことで、自分にとって本当に必要なスキルや知識が明確になります。無闇にもがくのではなく、プロセスに則って行動するだけで必要なスキルを効率良く習得していけるのは大きなメリットです。さらに企業から言われるままに動くのではなく、自分自身で日々スキルを研鑽してける人は、変化の激しい現代の労働市場でも成長していけるでしょう。

パフォーマンスが向上する

キャリアプランニングで今後の筋道が定まることにより、モチベーションが高い状態で日々の業務に向き合えます。業務へのモチベーションが維持できると、結果的にパフォーマンスが向上し、生産性アップにもつながるでしょう。企業の成長に貢献していくことで、企業にとって欠かせない人材になれます。

【4Step】キャリアプランニングの具体的な実施方法

パソコンを見ながらノートを描くビジネスマン

これまでのキャリアを軸にキャリアプランニングシートを作成し、実際に行動を起こしていくのがキャリアプランニングの主な流れです。具体的な実施方法を4つのステップに分けて紹介します。

Step1.現時点でのキャリアの棚卸しをする

始めにこれまでの業務経験から培ったスキル・経験を洗い出し、今後のキャリアプランを考える上での軸にします。業務に必要な専門スキルだけではなく、思考力やコミュニケーション能力といったポータブルスキルについても客観的に考え書き出していきましょう。成功体験だけではなく、失敗やミスから学んだことも含め、すべて出し切ることが重要です。

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Step2.キャリアプランニングシートを作成する

棚卸し結果を元にキャリアプランニングシートを作成し、キャリアプランを具体化していきます。決まった形式はありませんが、以下の手順で書き起こしていくのがおすすめです。

<①現状>

棚卸しした経験を見つめ直し、自分の強み・弱みを言語化し、自分への理解を深めます。現在の職種に捉われず、自分が好きなこと、できればやりたくないことについても自由に考えてみてください。

<②将来像>

現状で洗い出した得意分野や興味関心を元に、将来像を固めます。5年後、10年後どうなりたいか、中長期的なスパンで考えるのがコツです。

<③現状から将来像までの道筋>

設定した将来像を実現するには現状何が足りないかを考え、実現するための計画を立てます。「いつまでにどのスキルを習得する」といったように、短期ごとに達成しやすい目標を設定し、着実に行動できるように作り込むことで、実現性が高くなります。

Step3.キャリアプランに沿って行動する

作成したキャリアプランニングシートを見ながら、実際の行動に移します。例えば「来年の資格試験に合格する」という目標を設定したなら、さっそく勉強を開始する必要があるでしょう。プランを立てて満足するのではなく、目標達成のためにはどのようなスケジュールで行動するべきか具体的に考え、なるべく計画通りに進められるように意識することが大事です。

Step4.定期的にプランを見直す

計画通りに進行できているか定期的に振り返り、必要に応じてプランを立て直します。達成できていない目標があれば、「なぜ達成できなかったのか」「どうすれば達成できたのか」を考え、軌道修正を施しましょう。進行に大幅な遅れが生じていたり、理想とするキャリアビジョンが変化したりした場合は、一から計画を組み直さなければいけないこともあります。半年ごと、1年ごとなど定期的に振り返るタイミングを設けておけば、早期の改善が可能です。

キャリアプランニングを実施する際の注意点

道に悩むビジネスマン

過去の自分と理想の自分、どちらも大事にするのがキャリアプランニングを実現性の高いものにするポイント。最後に、キャリアプランニングの注意点についてチェックしておきましょう。

過去の経験を活かせているか

過去のスキルや経験を無視したプランを立てると、実現性は低くなります。現実的なキャリアプランを作成するには、これまでのキャリアの棚卸しを十分に行い、自分が提供できる価値にマッチしたプランを考えることがポイントです。今後大きくキャリアチェンジを望む人は、より慎重にプランの検討を行い、着実に実施していく力が求められます。

理想のキャリアを見誤っていないか

自分が本当に望む将来像に向かってなら、積極的に行動を起こせるもの。自分はいつまでにどうなりたいのか、十分に考えてプランを立ててみてください。自分に適性があるのか心配な場合は、適性診断の結果などを参考にすると良いでしょう。

実現不可能なプランになっていないか

希望するキャリアであっても、現在のキャリアとかけ離れている場合は、冷静に考え直すことも必要です。目標達成までの道のりがあまりにも険しいと、モチベーションの低下や自信喪失につながり、キャリア形成自体を諦めてしまうおそれがあります。キャリアプランニングシートを作成したら、上司や同僚、目標とする職種の人などに相談して客観的な意見をもらい、無理な内容となっていないか確認するのがおすすめです。

キャリアプランニングとは理想の自分に向かって行動を起こすこと

パソコンを操作しながら笑顔でメモをとる男性

現代のキャリア形成に必要不可欠なキャリアプランニング。理想の将来像を実現するためには、なるべく早い段階から計画的にキャリアを積んでいくことが大切です。今後のキャリアに迷いがある人や、キャリアアップを目指している人は、一度ゆっくりと考える時間を設けてみてはいかがでしょうか。

※記載の情報は、2024年9月時点の内容です。