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エンパシーの意味とは?シンパシーとの違いや高める方法、ビジネスでの活用例
エンパシー
2024年3月1日 更新
エンパシーの意味とは?シンパシーとの違いや高める方法、ビジネスでの活用例
エンパシーとは、「共感」を意味する言葉です。コミュニケーションにおいて相手の立場に立って考えることを指し、チームメンバーや顧客との信頼関係を構築するために有効であるとして、ビジネスシーンでも重要視されています。この記事では、エンパシーの詳しい意味やビジネスにおける重要性、活用方法、高める方法を紹介します。
ビジネスでも注目されるエンパシーとは?
たとえ自分とは異なる意見でも、相手の立場から考え理解を示すことをエンパシーと言います。まずは詳しい意味と、類似用語であるシンパシーとの違い、エンパシーの高い人の特徴を解説します。
エンパシーの意味
エンパシーとは、相手の立場に立って相手が何を考えているのか、どのように感じているのかを考える力のことです。ギリシャ語で心の状態という意味を持つ「emphatheia」が語源となっていて、英語では「empathy」と書き、「共感」や「感情移入」と訳されます。相手の意思や感情を理解するだけではなく、自分との価値観の違いを受け入れる力も重要視されるところがポイントです。
シンパシーとの違い
同じく「共感」を意味する単語がシンパシーです。エンパシーとの違いは、シンパシーには「同情」や「思いやり」といったニュアンスが含まれる点です。また、シンパシーが自分の立場から相手の感情に寄り添って共鳴するのに対し、エンパシーはたとえ自分の考えと違ったとしても、相手の立場に立って感情や考えを想像し、理解するという意味合いを持つ点を押さえておきましょう。
エンパシーが高い人の特徴
エンパシーが高い人には、以下のような特徴があります。
知らないことを知ろうとする好奇心がある
相手の話に耳を傾ける傾聴力がある
相手の感情に合わせて行動できる
良い面ばかりではなく、相手を気遣い言葉を飲み込んでしまったり、相手の気持ちを想像しすぎて振り回されてしまったりする一面もあるので、特徴を理解して上手に活かしていきましょう。
ビジネスシーンでエンパシーが重要視される理由
円滑に業務を進めるには、コミュニケーションの質を向上することが重要です。他者への理解を示すエンパシーを高めると、さまざまな人が集まる職場において分断が生じるのを防ぎ、良好な人間関係を構築することに役立ちます。また、顧客の視点に立つことで、顧客のニーズを満たす質の高いサービスを提供できるという活用方法もあります。結果的にチームの生産性や仕事の成果を上げる大きな要素となるでしょう。
ビジネスシーンで重要となるエンパシーの種類
エンパシーはいくつかの種類に分けられ、ビジネスで活用する際に覚えておきたいものは主に3つです。それぞれのポイントや注意点を押さえておきましょう。
①感情的共感
感情的共感とは、他者の感情を読み取り、思いやって深い共感を示すことを言います。例えば、同僚や部下が失敗をした時に励ましやねぎらいの言葉をかける、といった行動がとれるのはこのタイプです。「この人は自分を理解してくれる」「認めてくれている」という印象を与え、強い信頼関係を構築できます。
②認知的共感
他者の感情や考え方を想像し、理解を示すタイプが認知的共感です。相手と感情を共有するだけではなく、なぜ相手がそのように思うのか理由を追求して理解をしようとすることに重点を置きます。ビジネスでは、考え方や価値観が異なる相手とも協力して仕事を成し遂げる力が求められるので、認知的共感を高めることでチームに欠かせない人材になれるでしょう。
③同情的共感
同情的共感は、他者の感じるつらさや痛みを共有するタイプです。他者への理解が深い一方、他者の痛みまで想像し、自分自身にも痛みを感じてしまうこともあります。熱でつらそうな人を見て、自分も体調が悪くなってしまうとケースもあるので、さまざまな人と関わるビジネスにおいては注意が必要なタイプです。
ビジネスシーンでのエンパシーの活用方法
現場、営業、商品開発など、ビジネスのさまざまなシーンでエンパシーを発揮することにより、パフォーマンスアップが図れます。ビジネスシーンでの活用方法を紹介します。
チーム運営での活用例
チーム運営においては、メンバーがお互いに相手の立場になって気持ちを考え、チームにとって良い結果が出せるようにまとめていくことが大事です。部下からの信頼を得るには、意見が異なっても途中で否定してはいけません。部下の意見を最後まで聞いた上で、まずは理解を示すと「自分を認めてくれている」と感じさせ、パフォーマンスが上がりやすくなります。
部下の立場であれば、上司が自分に何を求めているのか考えて立ち回るようにすれば、上司からの信頼を得られチームにも貢献できるようになるでしょう。
営業活動での活用例
営業活動において重要なのは、顧客とのコミュニケーションを通して信頼関係を築くこと。近年では市場競争の結果、質や性能だけでは差をつけることが難しくなってきました。自社のサービスを選んでもらうには、「この人のおすすめするものなら信頼できる」と思ってもらう能力が必要とされます。
営業でエンパシーを発揮するために役立つスキルが、顧客の悩みに耳を傾ける傾聴力です。顧客の悩みを解決しようとする姿勢を見せることで、顧客からの信頼が生まれて交渉や商談が成立しやすくなります。
商品開発での活用例
商品開発では、顧客の要望を聞き取り、きちんと汲み取るようなマーケティングを行うことが大切です。顧客の悩みや希望に応えるような商品を発表すると、「正に自分が求めていた商品だ」と感じてもらえて選ばれやすくなります。このような考え方を「デザイン思考」と呼び、近年ビジネスにおいて重要視されている考え方です。さらに多様な意見を受け入れることで、従来とは全く異なるイノベーションが生まれる可能性もあります。
エンパシーを高める具体的な方法
これまでの経験から自然とエンパシーを備えている人もいますが、意識的に高めることも可能です。エンパシーを高めるために役立つ具体的な方法を紹介します。
相手の立場になって考える訓練をする
エンパシーの基本は、相手の立場で考えることです。相手の状況を想像することで、自分からの視点ではわからなかった相手の考えや感情に気づけるようになるでしょう。このスキルを高めるには、小説を読んだり映画を見たりする際に、登場人物の立場になって、「なぜこのような行動をしたのか」「なぜこのように感じたのか」を考えてみるのがおすすめです。
傾聴力を鍛える
人とコミュニケーションを図る時は、傾聴の姿勢を意識して話すことが大切です。傾聴とは、他者と話をする時に評価をするのではなく、そのままを受け入れて理解しようとすること。相手の言葉の裏にはどんな背景があるのか、相手からは物事がどのように見えているのか考えるようにすると理解につながります。職場に浸透させたい場合は、傾聴スキルに関する社内研修などを行うのが有効です。
エンパシーを高めるとビジネスが円滑になる
相手の気持ちを知ることや、その背景まで想像して理解を示すことは、良好な人間関係を構築するために欠かせないスキルです。ビジネスにおいてもチームワークの創出や顧客との信頼関係の構築など、さまざまな場面で活用できます。コミュニケーションを図る際は傾聴などを意識して、エンパシーを高めていきましょう。
※記載の情報は、2024年2月時点の内容です。