2024年5月7日 更新

注目のハイタッチ営業とは|メリットや成功へのポイント、他の営業との違いを解説

ハイタッチ営業(ハイタッチセールス)は、代理店を通さず営業担当者が直接顧客とやり取りをする営業方法です。顧客との信頼関係や営業成果などにおいて、さまざまなメリットがあります。本記事では、ハイタッチ営業のメリットやセールス手法、成功へ導くためのポイントを解説。その他の営業方法との違いも紹介します。

ハイタッチ営業(ハイタッチセールス)とは

ハイタッチ営業とは、代理店を通すことなく企業が顧客と直接やり取りをする営業手法で、ハイタッチセールスとも言います。チームスポーツの試合で得点した際に手のひらでタッチする動作「ハイタッチ」が語源。

企業と顧客がチーム一丸となってメリットを得て、ハイタッチができるような成功を目指します。そのため、顧客との信頼関係を築くことに重きをおく営業方法と言えるでしょう。外資系企業ではよく取り入れられている営業手法ですが、言葉自体は日本で生まれました。

ハイタッチ営業の4つのメリット

ハイタッチ営業は顧客の信頼を得やすいだけではなく、情報提供やニーズの把握、コスト削減においてもメリットがあります。ハイタッチ営業で得られるメリットを紹介します。

1. 顧客からの信頼を得やすい

顧客と直接やり取りをしてニーズに対応するため、顧客からの信頼を得やすくなります。最近では、「良い商品を買う」だけではなく、「誰から商品を買うか」も重視する顧客が増えてきています。顧客からの信頼を得ていれば、商品を購入してもらうチャンスも得やすくなるでしょう。

2. 商品・サービスの詳細な情報を提供できる

ハイタッチ営業により、商品についての詳しい情報を顧客に提供できるのもメリット。メーカーの場合は、代理店よりも詳細な情報を持っているため、顧客の疑問にもすぐに答えられます。疑問点がすぐ解決することで、顧客の満足度アップにもつながります。

3. 顧客のニーズを把握しやすい

顧客のニーズを把握しやすいのもメリット。インターネットやSNSの普及により顧客のニーズが多様化している今、顧客の声を直接聞き、競合他社との差別化をはかることが重要です。他社製品と比較した意見も顧客から聞けるため、自社製品の改善にも役立ちます。

4. コスト削減につながる

代理店が間に入らないハイタッチ営業は、仲介料が発生しないためコスト削減につながります。営業活動でコストが削減できれば利益率も上昇するため、企業にとって大きなメリットをもたらすでしょう。

ハイタッチ営業に活用できる手法

ハイタッチ営業を行う際には、実践的なセールス手法を取り入れてみましょう。ここでは、ハイタッチ営業に活用できる手法を紹介します。

インサイト営業

顧客も気づいていない隠れた課題を見つけ出し、解決策を自社の製品・サービスで提供する営業手法。現代はインターネットの普及により簡単に解決策が見つかるため、潜在的なニーズや課題を掘り起こす必要があります。そこで顧客自身ですら気づかない課題を洗い出すインサイト営業が注目されています。

SPIN話法

SPIN話法とは、以下の順でヒアリングを行い商談設立につなげる手法です。

1. 状況質問(Situation Questions)
2. 問題質問(Problem Questions)
3. 示唆質問(Implication Questions)
4. 解決質問(Need-payoff Questions)

SPIN話法を取り入れると、潜在ニーズを引き出せるだけではなく、顧客が商品購入に前向きになる雰囲気を作れます。顧客自らが問題に気づき、その解決に必要なものを提供する担当者に信頼を寄せるようになります。

SNAP営業

SNAP営業は、顧客と同じ目線に立ってアプローチする営業手法。SNAPの言葉が意味するように、以下の4つのポイントを押さえることが重要です。

・ シンプル(Simple)
・ 唯一無二の存在(iNvaluable)
・ 常に顧客に寄り添う(Align)
・ 顧客優先(Priority)

この手法を取り入れると、ビジネスに関する顧客の情報が入手しやすくなり、効率良くアプローチできます。また、顧客が重視するポイントの把握や競争力の強化などにも役立ちます。

チャレンジャーセールス

チャレンジャーセールスは、顧客との建設的な議論を通してサービス提供につなげるセールスモデル。「チャレンジャータイプ」と呼ばれるセールスパーソンは、事前に詳細な情報を集め、顧客について理解してから商談に臨みます。ときには顧客を「指導」し、ときには顧客から共感を得ながら「適応」し、そして主導権を「支配」することで商談を成立させます。ハイタッチ営業にも活用しやすいセールスモデルです。

ハイタッチ営業を成功へ導くポイント

顧客との信頼関係を築くには、顧客の話に耳を傾けられるようヒアリング力を鍛え、アフターフォローも欠かさず行うことが大切です。ハイタッチ営業を成功へ導くポイントを見ていきましょう。

ヒアリング力を身につける

ハイタッチ営業はもちろん、他の営業でも欠かせないのがヒアリング力です。ヒアリングの基本は、相手を主語にして話すこと。自社の製品を売ろうとするあまり自分を主語にして話すと、押しつけがましくなるので注意が必要です。

相手が話し終わってから質問し、会話を進める方法を身につけましょう。ITの専門知識が必要な場合は、プリセールスエンジニアに同席してもらうと良いでしょう。

プリセールスはどんな仕事?仕事内容ややりがい、必要なスキルを解説

プリセールスとは、IT系の職種の1つ。営業とエンジニア、どちらの業務も行う、IT業界ならではの仕事です。ITスキルを現場とは違う形で活用できる、多様なキャリアパスを描けるといった魅力があります。本記事ではプリセールスの仕事についてくわしく解説。仕事内容ややりがい、必要なスキル、キャリアパスの描き方など幅広く説明します。

顧客の不安や悩みを引き出す

顧客の不安や悩みには、しっかりと耳を傾けましょう。顧客との信頼関係を築ければ、営業の成果も期待できます。自分自身についての話題を取り上げる自己開示の手法は、顧客との距離が縮まり自ら話しやすい状況を作れます。ただし顧客に不快感を与えないよう、踏み込んだ話は避けるなど会話の流れも意識しましょう。  

アフターフォローを徹底する

営業後のアフターフォローを徹底すれば、信頼関係が続き次の購買行動へとつながる可能性があります。アフターフォローの際にもよく顧客の話に耳を傾け、悩みやニーズを引き出すと良いでしょう。

ハイタッチ営業以外の営業方法

ハイタッチ営業の他に、似たような営業方法や反対の行動をとる営業方法もあります。事業形態や状況に応じて異なる営業スタイルが取られています。最後に、その他の営業方法もチェックしておきましょう。

パートナー営業(パートナーセールス)

パートナー営業とは、エンドユーザーに営業をしている販売代理店の支援活動をする営業方法で、「パートナーセールス」「代理店営業」とも言います。IT業界や保険業界、旅行業界などでよく用いられており、代理店に向けて製品・サービスに関する知識や販売方法、セミナーなどを行います。    

ノータッチ営業

ノータッチ営業とは、顧客対応をしないで受注する方法で、ハイタッチ営業とは反対の意味で使われています。Webサイトを活用して契約締結まで至る、営業業務を代理店に移譲するなどの方法があります。    

ダイレクトセールス

ダイレクトセールスとは、メーカーや生産者などが、直接消費者に製品を販売する方法。ハイタッチ営業は顧客と直接対話をしますが、ダイレクトセールスは自社のWebサイトやメール、SNSなどを通して消費者にアプローチする場合が一般的です。

ハイタッチ営業で顧客との信頼関係を築き成果を上げよう

ハイタッチ営業には、顧客との信頼関係を築きやすく、顧客の潜在的なニーズや改善すべき課題を見つけやすいというメリットがあります。ハイタッチ営業に活用できる手法やヒアリング力を鍛える方法などを取り入れて、営業活動を成功へと導きましょう。

※記載の情報は、2023年2月時点の内容です。

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