2024年5月7日 更新

承認欲求とは?強い場合のメリット・デメリットや欲求との上手な付き合い方を解説

承認欲求とは、「他人から認められたい」「自分を認めたい」という誰もが持つ欲求のひとつ。承認欲求が高まりやすい現代においては、適切に欲求を満たしながら上手にマネジメントすることが求められます。本記事では、承認欲求のレベルや5段階説、強い場合のメリット・デメリットを踏まえ、承認欲求との上手な付き合い方を紹介します。

承認欲求とは?

承認欲求とは、他人から認められたい、自分の存在価値を認めたいという欲求を指します。アメリカの心理学者アブラハム・マズローが定義した、人間が持つ5つの欲求のひとつ。程度の差はありますが、子どもから大人まで誰もが持っているものです。

2つの承認欲求とレベル

承認欲求は、尊重のレベルによって「他者承認」と「自己承認」の2つに分けられます。ここではレベルが低い「他者承認」と、レベルが高い「自己承認」について解説します。

他者承認

他人からの称賛・高い評価、社会的地位などを得ることで満たされる欲求です。例えば、周囲から尊敬されることを目的に仕事をがんばる人は、他者承認によって行動していると言えます。

自己承認

自分自身を認めたいという欲求で、スキルを磨いたり能力を高めたりして自己肯定感を上げることにより満たされます。他者からの視点ではなく、自分の基準で考える点が他者承認と異なります。

マズローが提唱する「欲求5段階説」と「自己超越」

心理学者マズローが提唱する「欲求5段階説」は、人間の欲求を5段階に分類したものです。1段階下のものが満たされるとその上の欲求を満たそうとする、人間の心理的行動を表しています。ここでは、「欲求5段階説」とさらにその上の「自己超越」を解説します。    

マズローの「欲求5段階説」
第1段階 生理的欲求
第2段階 安全欲求
第3段階 社会的欲求
第4段階 承認欲求
第5段階 自己実現欲求

第1段階「生理的欲求」

食欲・睡眠・排泄など、人間が生きていく上で必要とされる基本的かつ本能的な欲求です。生命を維持するにはこの「生理的欲求」を満たすことが不可欠と言えます。

第2段階「安全欲求」

「安全欲求」は安心して過ごすこと、暮らすことへの欲求です。不慮の事故や戦争などが起こらない安全な環境にいたい、病気をせず心身ともに健康でいたい、経済的に安定したいなどの欲求がこれに当たります。

第3段階「社会的欲求」

「社会的欲求」とは、友人・家族・恋人からの愛情を得たい、集団に帰属したいなどの欲求を指し、「愛情と所属の欲求」または「帰属の欲求」とも言われます。これらが満たされないと、孤独感に陥ったり社会的不安を感じやすくなったりします。

第4段階「承認欲求」

他者から高い評価を得て認められたい、尊敬されたい、注目されたいなどの願望が「承認欲求」です。1〜3段階までは外的部分を満たしたいという欲求ですが、ここからは内的部分である「心」を満たしたいという欲求に変わります。  

第5段階「自己実現欲求」

第4段階までの欲求が満たされると、自分の人生観・世界観に基づき、本来のあるべき自分になりたいという欲求が生まれます。自分が持っている可能性や能力を高め、自己実現したいという気持ちに突き動かされるようになります。

5段階の上「自己超越」

マズローは晩年、5段階の上には「自己超越」があると発表しています。これは見返りを求めず、目的の遂行や達成のみを純粋に求める領域です。

承認欲求が高まりやすくなった原因

承認欲求が高まりやすくなった原因として、時代背景やSNSの普及、家庭環境などが挙げられます。これらの原因について詳しく見ていきましょう。    

個人が注目される時代背景

出身大学や就職先の企業など、所属先が評価されていた昔に比べ、現代は個人が注目されるようになりました。個人の活躍や人間性が重要視される現代は、承認欲求が高まりやすい時代と言えるでしょう。

他者とつながりやすいSNSの普及

SNSの普及により、他者と気軽につながれるようになったのも承認欲求の高まりに大きく影響しています。SNSを使えば、容易に個人で情報を発信できます。そして、その情報に対して他者からの共感が得られると、自分の価値・存在が認められたと実感できます。これにより、承認欲求に拍車がかかりやすくなりました。

親子関係や幼少期の経験

親子関係や幼少期の経験が原因のひとつという説もあります。幼少期に親から褒められず、認められたいという願望が満たされなかった場合、承認欲求が強い大人になるのではないかと考えられています。

承認欲求が強い場合のメリット

強い承認欲求がプラスに働くことで、モチベーションの維持や仕事の成果、自己肯定感の向上といったメリットがあります。ここでは承認欲求が強い場合のメリットを見ていきましょう。    

モチベーションを高く維持できる

認められたい、褒められたいといった気持ちは、努力を続けたりモチベーションを高く維持したりする助けになります。また、周りの人にポジティブな影響を与えるなど、相乗効果も期待できるでしょう。

真面目に取り組み成果を出せる

承認欲求が強い人は他者に認められるよう、より真面目に物事に取り組むため、成果を出しやすくなります。高い目標を掲げ、それを成し遂げるための努力を惜しみません。仕事においては、昇進につながりやすいという傾向があります。

自己肯定感が高まり自信がつきやすい

他者から自分の存在意義を認められると自己肯定感が高まり、自信がつきやすくなるのもメリットです。自信がつくとより高い目標を設定し、それに挑戦しようという意欲が起こります。その挑戦する姿勢が周りの人に良い影響を与えることもあるでしょう。

承認欲求が強い場合のデメリット

強い承認欲求は、ネガティブな感情やマイナスの結果につながることもあります。どのようなデメリットがあるのか、見ていきましょう。

モチベーションや自己肯定感が下がりやすい

周囲から認められていないと感じると、モチベーションや自己肯定感に影響が出ます。そして、たった1回の失敗でも大きな自信喪失を引き起こし、承認され続けていないとモチベーションの維持が難しくなってしまいます。

人間関係が悪化しやすい

人間関係の悪化を招きやすくなるのもデメリットのひとつ。目立ちたい、認められたいなどの願望は、必要以上に自分をアピールしたり自慢したりといった行動で表れます。そうなると周囲が困惑し、人間関係が上手くいかなくなってしまいます。

頼まれたら断れない

無理な頼まれごとでも、認められたいがために断れない人もいます。周りの人にとって都合の良い存在になったり、自分を追い込んでしまったりする危険性があるため、注意が必要です。

承認欲求との上手な付き合い方

承認欲求は、まず土台となる自分自身の「存在」、次に取り組みの途中経過やプロセスといった「行動」、最後に取り組みの「結果」の3つが周囲から認められることで満たされます。これを踏まえ、承認欲求との上手な付き合い方を紹介します。    

所属するコミュニティを増やす/変える

自分を認めてもらえるコミュニティを増やすと、社会的欲求や承認欲求が満たされやすくなります。今のコミュニティで満たされない気持ちを抱えているのであれば、新しい環境を探してみるのもひとつの方法です。

コミュニケーション能力を磨く

コミュニケーション能力が高ければ高いほど、他者からの承認を得られやすくなります。対面での会話だけでなく、SNSなどのオンライン上でやり取りする際も、多くの人に理解されやすい言葉や文章を心がけましょう。

ありのままの自分を好きになる

自分ができなかったことや失敗したことも認めて、ありのままの自分を好きになりましょう。そうやって自己肯定感を高めることが、自己承認を満たすことにつながります。自分の好きな物事や興味のある物事に打ち込むなどして、自分を好きになるきっかけや肯定する機会を作ってみると良いでしょう。

承認欲求について知り、上手に付き合おう

承認欲求は誰もが持っている欲求。そして、承認欲求が強い人には、モチベーションを高く維持できる、良い結果を生み出せるといったポジティブな特徴があります。そのため、承認欲求をなくしたいと思うのではなく、適切に満たしてマネジメントできるようになることが大切です。ありのままの自分を好きになり、新たなコミュニティに属したり、コミュニケーション能力を高めたりして、承認欲求と上手く付き合いましょう。

※記載の情報は、2022年6月時点の内容です。

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