2024年5月7日 更新

NFTとは?できること・仕組み・注意点をわかりやすく解説

NFTは、デジタルデータに資産的価値が付与されたトークンとして、ここ数年注目を集めています。本記事では、NFTの意味、できることやその仕組み、日本で活用されているジャンルなどをわかりやすく解説。またビジネスでの活用事例や購入方法、注意点も紹介します。

NFTとは?【意味・歴史】

NFTは代替不可能な価値を持つデジタルデータのこと。まずは、その詳しい意味や歴史をわかりやすく解説します。

NFT(Non-Fungible Token)の意味

NFTとは「Non-Fungible Token」の略語で、日本語では「代替不可能なトークン」という意味です。トークンはブロックチェーン技術により生み出されたデジタルデータのことで、仮想通貨などがよく知られています。

これまでデジタルデータは複製が容易にできたため、価値を持たせるのが困難でした。しかし、データの改ざんが難しいブロックチェーン技術の登場により、デジタルデータに固有の価値を持たせられるようになりました。

NFTの歴史

2017年、ブロックチェーンのプラットフォームであるイーサリアム上に、デジタル猫を売買・交配できる「CryptoKitties(クリプトキティーズ)」というゲームが誕生したことが発端とされています。同年に、NFTアートの「CryptoPunks(クリプトパンクス)」も誕生しました。

その後、2021年にはデジタルアーティストBeepleの作品が約75億円で落札されたり、Twitter創業者の1人であるジャック・ドーシー氏の初ツイートが約3億円で落札されたりと、NFTブームが一気に加速しています。

NFTで【できること】とその【仕組み】

NFTには唯一無二の価値が付与されるため、ブロックチェーン上で自由な取引が可能です。また二次販売されても、創作者へ利益が還元される仕組みも生み出しています。ここではNFTでできることや、その仕組みについてわかりやすく解説します。

唯一無二のものを生み出せる

他と代替できず、唯一性のある点がNFTの大きな特徴です。例えばNFTのデジタルアートの場合、作品ごとに識別情報も含めて資産価値が与えられます。そのため、見た目は同じデジタルアートであっても、それぞれ交換のきかない唯一無二の存在として扱われます。

また、複製したとしてもその複製品には識別情報が記載されないため、コピーとオリジナルの識別がつきます。情報や記録はブロックチェーンに残ることから改ざんは困難です。

ブロックチェーン上で自由に取引できる

唯一無二的存在であるNFTには資産価値が与えられるので、ブロックチェーン上で自由に取引できます。仮想通貨のように、自由にNFTを移転することも可能です。ブロックチェーン上で公開され情報や記録が残るため、誰にでも検証可能で安全性の高い取引ができます。また、国や既存の枠組みを超えて自由に取引できるのも特徴と言えるでしょう。

さまざまな情報や機能を追加できる

NFTは、さまざまな情報や機能を追加できるプログラマビリティがあります。絵画で例えると、通常は二次販売の売上は創作者の収入になりませんが、NFTのデジタルアートであれば、二次販売の際に売上の一部が創作者に支払われるといったプログラムを組み込めます。

また、継続的に創作物へ利益が還元される仕組み作りも可能です。創作者にとっては、著作権の管理団体へマージンを払わずに創作物の著作権を守ることができ、収益を全額受け取れるというメリットがあります。

NFTが活用されている【ジャンル】

NFTはアートやゲームをはじめ、不動産といった分野にまで活用が広がっています。日本でNFTが活用されている主なジャンルを見ていきましょう。    

デジタルアート

先述した通り、アート分野でのNFTの活用が広まっています。NFTの技術により、所有権の複製ができないデジタルアートの作成が可能です。新たな投資対象として、投資家達からも大きな注目を浴びています。

ゲーム

NFT技術が盛んに活用されているのがゲームです。アイテムやキャラクターをNFT化しメタバースに市場を構築し売買すれば、利益を得られます。売買されたキャラクターは、他のゲーム内で活躍させることもできます。

メタバースとは?意味や注目されている背景をわかりやすく解説

メタバースとは、自分の分身「アバター」が行動できる仮想空間や、それを可能にするサービスのこと。VR技術やインターネット技術の発展、感染症拡大の影響などにより、メタバースへの注目や期待が高まっています。本記事では、今注目が集まるメタバースについてわかりやすく解説。メタバースのメリットとデメリット、利用例なども紹介します。

音楽

既に多くの音楽アーティストがNFT参入を発表。音楽が売れた際に利益の一部がアーティストに還元されるだけではなく、二次売買による利益も還元されます。ユーザーと直接取引ができるのも特徴です。

不動産

不動産業界でもNFTの活用が開始されました。不動産関連の契約は書類で行うのが一般的ですが、そうすると遠方からやり取りする場合に時間がかかってしまいます。しかし複製できないNFTを活用すれば、どこでもデータのやり取りができ、契約手続きの省略化が期待できます。また、契約書の偽造を防げるのもメリットです。

飲食

NFTは飲食業界にまで波及しています。例えば、飲食店のスポンサー枠がNFTで販売されており、購入者は自分のQRコードを店舗メニューに載せることで宣伝が可能です。他にも、NFTが会員権として販売され、保有者のみが利用できる飲食店もあります。

NFTの【活用事例】

既にNFTを利用したさまざまなビジネスが展開されています。NFTがどのように活用されているのか、日本での事例を3つ紹介します。

デジタルアート×電子住民票

過疎化が進む地域で、NFT化したデジタルアートを組み合わせた電子住民票の販売が開始。これにより、NFTの販売益をベースに、地域のプロジェクトや課題解決を独自財源で推し進められるようになりました。NFT所有者はデジタル住民専用のコミュニティチャットに参加し、地方創生に携わることができます。

別荘のシェア購入

NFTを用いて別荘をシェア購入できるサービスを開始したホテルが話題になっています。1日単位でホテルを利用できるメンバーシップのNFTを販売。NFT所有者は、一次的な宿泊利用だけではなく、物件の耐久年数分の権利期限も持ちます。さらに、二次流通での売買や第三者への贈与も可能です。  

蒸留酒樽の管理・取引

ウイスキー樽をNFT化し、管理や取引ができるサービスを提供する企業も登場しました。コレクターや愛飲家などの個人でも管理や取引ができるよう、NFT化した蒸留酒樽を小口販売しています。これにより、ウイスキー熟成期間の価値も享受できるのが魅力。熟成後は、NFTとウイスキーの交換もできます。

NFTの【購入方法】

実際にNFTを購入してみたいと考えている場合は、専用の口座とウォレットを開設しましょう。NFTの購入方法について、わかりやすく解説します。

1. 仮想通貨取引所の口座を開設する

NFTを購入するには仮想通貨が必要です。まずは仮想通貨取引所の口座を開設します。NFT関連でよく使われる仮想通貨のイーサリアム(ETH)なら、多くの仮想通貨取引所で取り扱いがあり、アプリで簡単に購入できます。

2. 仮想通貨ウォレットを作る

仮想通貨を保存しておくウォレット(財布)を準備します。パスワード紛失時に復元できるシークレットリカバリーフレーズは、流出しないように注意しましょう。ウォレットが用意できたら仮想通貨を入れます。

3. NFTプラットフォームで購入する

NFTプラットフォームでNFTを購入します。NFTマーケットプレイスでは、購入に加えて販売も可能です。国内外にあるさまざまなマーケットプレイスで、好きなジャンルのものを選べます。

NFTを利用する際の【注意点】

さまざまな分野で活用が広まりビジネスにも利用されているNFTですが、まだ法整備などの面において課題があります。最後に、NFTを利用する際の注意点を確認しておきましょう。

詐欺被害に注意する

有名クリエイターをかたり、偽物の作品を販売する詐欺が発生しています。NFTにより複製不可なのは著作権や所有権のみです。データ自体は複製可能なため、複製コンテンツが販売される場合があります。NFTマーケットプレイスでは、アカウントの詐称やコンテンツの複製といった問題が改善されつつありますが、利用する際には注意が必要です。

所有権が認められない可能性がある

日本の法律では、所有権の対象は有物体のみであり、データなどの無物体の所有権は現在認められていません。デジタル所有権という権利もまだ法定されていないため、注意が必要です。NFTはあくまでブロックチェーン上で発行されたトークンであり、ブロックチェーン外での契約成立ではないことを理解しておきましょう。

NFTとは資産的価値を持つデジタルデータ

NFTはブロックチェーンを基盤にしたデジタルトークンであり、代替不可能なため資産的価値を持つのが特徴です。アートやゲーム、音楽にとどまらず、さまざまなジャンルのビジネスで活用が広がっています。売買が比較的容易にできる仕組みも構築されてきていますが、法の整備がまだ不十分な部分もあるので、そのことを理解しながら利用しましょう。

※記載の情報は、2023年3月時点の内容です。

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