2024年5月16日 更新

ネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアの違いとは?項目別に詳しく解説

インフラエンジニアの一種であるネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアの違いは、担当する領域にあります。領域が違えば、必要なスキルや適性も異なってくるものです。この記事では、ネットワークエンジニアとセキュリティエンジアの違いを項目別に詳しく解説。さらに向いている人の特徴やどちらを目指すべきかについても紹介します。

ネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアの違いとは

システム開発のイメージ

ネットワークエンジニアはネットワークの構築や運用をメインに行うのに対し、セキュリティエンジニアは構築後のシステムの安全性を守るのが主な役割です。それぞれの違いについて、項目別に詳しく見ていきましょう。

①役割の違い

ネットワークエンジニアもセキュリティエンジニアも、ともにインフラエンジニアに分類されます。しかし、ネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアでは、インフラ環境の中で担当する役割が異なります。ネットワークエンジニアの役割は、スムーズなネットワーク環境を整えること。セキュリティエンジニアの役割は、システムやネットワーク全体の情報セキュリティ対策を担っています。

②仕事内容の違い

インフラ環境の中でどの工程を担当しているのか、それぞれの詳しい仕事内容を比較しましょう。

<ネットワークエンジニアの仕事内容>

ITシステムを構築するにあたり、コンピュータシステム間の通信を管理するのがネットワークエンジニアの主な仕事内容です。具体的には、ルーターやアクセスポイントといったネットワーク機器の設置や設定、ネットワーク環境の構築・設計などを行い、ネットワークシステムの稼働に導きます。ネットワーク構築後も、随時機器の設定変更や構成変更をして運用をサポートしたり、障害発生時に復旧対応したりと、円滑なネットワークを維持することが任務です。

<セキュリティエンジニアの仕事内容>

既存のシステムをサイバー攻撃などの脅威から守り、安定的に稼働させるのがセキュリティエンジニアの仕事です。サーバー、ネットワーク、ソフトウェアなど、システム全体を対象としたセキュリティ対策の企画から運用・保守までが業務範囲です。

③必要なスキルの違い

ともにインフラエンジニアとしてIT全般の基礎知識やサーバーに関する知識は持っておく必要がありますが、重要視されるスキルは異なります。

<ネットワークエンジニアに必要な知識・資格>

ネットワークエンジニアとの名の通り、ネットワーク関連の専門的な知識は必須です。ネットワーク機器大手のCisco社が運用する認定資格 (CCNA/CCNP)等の取得を目指すと、基本的な知識が身に付くでしょう。

<セキュリティエンジニアに必要な知識・資格>

セキュリティエンジニアには、情報セキュリティに関する専門的な知識を求められます。セキュリティに関する技術力を証明できる国家資格の1つに、情報処理安全確保支援士試験というものがあるので取得を目指すのもおすすめです。

④雇用形態の違い

仕事内容の違いから、働き方にも違いが生じます。

<ネットワークエンジニアの雇用形態>

ネットワークエンジニアは、正社員の他に、プロジェクトごとに一定期間特定の企業へ常駐する特定派遣や一般派遣として働く人の割合が多くなっています。フリーランスで業務委託を受ける人もいて、ネットワークの設計部分を担当する場合はフルリモートでの勤務も可能です。

<セキュリティエンジニアの雇用形態>

セキュリティエンジニアの場合、組織の情報セキュリティに関わるという性質上、正社員などの直接雇用が多いようです。リモート勤務できる例はあまり見られず、基本的には出社が前提となります。

ネットワークエンジニア/セキュリティエンジニアに向いている人

ネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアに求められる資質は少し異なります。それぞれの特徴を紹介するので、自分に向いているのはどちらかチェックしてみてください。

ネットワークエンジニアに向いている人とは

コードを見ながら話し合うエンジニア

ネットワークエンジニアは、クライアントの企業へ常駐したり、チームで活動したりする機会が多い職種なので、ある程度のコミュニケーション能力が求められます。また、ネットワーク環境の構築においてはミスのない正確性と、知らないことは自分で調べて習得していく姿勢が評価されます。

<ネットワークエンジニアに向いている人の特徴>


  • 協調性とコミュニケーション能力を持ち合わせている

  • 几帳面でコツコツとした作業が苦にならない

  • 新しいことに挑戦することが好き


セキュリティエンジニアに向いている人とは

オフィスでプログラミングをする女性

組織全体の情報セキュリティをあらゆる脅威から守る重要な役目を担うセキュリティエンジニア。トラブル対応にあたる際には、責任を持って問題解決まで導く必要があります。さらに日々進化する脅威に対応できるように、継続的な学習も欠かせません。

<セキュリティエンジニアに向いている人の特徴>


  • 責任感が強い

  • 粘り強く行動できる

  • プレッシャーが強いほどやりがいを感じる

  • 知的探究心があり、日々継続して学習できる


ネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアを比較

左右の道に悩むビジネスマン

ネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアはそれぞれ異なる特徴を持ちますが、転職を目指す際に気になるのが年収や将来性、その後のキャリアパスです。ネットワークエンジニアとセキュリティエンジアを比較した結果を紹介します。

年収が高いのはどちら?

ネットワークエンジニアの平均年収は400~500万円ほど、セキュリティエンジニアの平均年収は600万円前後となっています。年齢や経験などにもよりますが、一般的にセキュリティエンジニアの方が年収は高い傾向です。

理由としては、ネットワークエンジニアはネットワークに特化したスキルが求められることに対し、セキュリティエンジニアにはネットワークも含めたIT全般の知識に加え、情報セキュリティの知識も求められるためです。ただし、セキュリティエンジニアはトラブルが発生すると激務になりやすい反面、ネットワークエンジニアは比較的ホワイトな働き方を保ちやすいといった点に留意しましょう。

将来性があるのはどちら?

業種を問わずIT化が進む現代では、どちらも需要がなくなることはないと考えられます。ただし生き残っていくためには、常にスキルを磨いていくことが大切です。

例えばネットワークエンジニアの場合、クラウドサービスが普及するにつれてオンプレミス型のネットワーク構築は減っていくので、クラウド化に対応できる人材の需要が増えていくでしょう。セキュリティエンジニアにおいては、進化し続けるサイバー攻撃に対応できるよう最新の手法を学び続けなければ、いずれ業界では通用しなくなるおそれがあります。

それぞれのキャリアパスは?

ネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアではキャリアパスにも違いがあるので、転職の際には把握しておくことが重要です。

ネットワークエンジニアのキャリアパスとしては、より専門性を高めてサーバーエンジニアやクラウドエンジニアといった特化型のスペシャリストを目指す道と、システム開発における複数の工程を1人でこなすフルスタックエンジニアやシステム開発の責任者となるプロジェクトマネージャーなどのゼネラリストを目指す道に分かれます。

セキュリティエンジニアは、経験を積みながらセキュリティ分野での高みを目指し、セキュリティアーキテクトやセキュリティコンサルトといった上流の工程を担当するスペシャリストを目指すのが一般的です。

ネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアの違いは担当する領域

システム開発のイメージ

広義ではともにインフラエンジニアに属するネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアですが、具体的な役割や仕事内容には違いがあります。それぞれの特徴をつかんで、後悔のない選択ができるようにしましょう。どちらを選ぶかは、自分の経験や希望、性格と照らし合わせて検討してみてください。

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※記載の情報は、2024年5月時点の内容です。

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