エンジニアたちが持つ想いの原点をたどる 開発者が決断と挑戦を繰り返したDataSpider25年の足跡 -2

SPECIAL TALK 25周年記念対談

エンジニアたちが持つ想いの原点をたどる
開発者が決断と挑戦を繰り返した
DataSpider25年の足跡

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テクノロジーの進化が続くIT環境において、混在するシステムを柔軟につなぎ合わせる役割として、2001年に産声を上げたDataSpider。生みの親である小野和俊氏をはじめ、DataSpiderに深くかかわってきたメンバーに集まっていただき、誕生から四半世紀を迎えた今だからこそ語ることのできる開発当時の想いや進化の歴史、市場における転換点など、DataSpiderが歩んできたその道程を振り返ってみたい。

バージョンアップを重ねて新たに登場した「DataSpider Servista 5」

バージョンアップを重ねていくなかで印象に残っていることはどんなことですか。

有馬

私自身はHULFT Squareの開発が中心で、DataSpider Servistaはバージョン4あたりから関わってきています。今回のバージョン5へのアップデートでは、Java Runtime Environment(JRE)と呼ばれる基幹部分のアップデートを行っていますが、若手に経験を積ませることの重要性を再認識しました。
そもそもDataSpider Servistaの開発コアに関する歴史を積み重ねていますが、小野さん含めてDataSpiderのコアを開発した経験のあるメンバーがだんだん少なくなっています。若手がコア機能に触れる機会がなかなかないというのは、本当に怖いこと。コアの部分をしっかり作り直すというプロセスは、まるで20年に一度実施される伊勢神宮の式年遷宮のようですが、次のバージョンアップにつなげるべく意図的に経験させることで、確実に若手の力になったと実感しています。

佐々木

サービス初期から開発に関わっている身としては、開発組織の変遷について印象に残っています。初期の開発チームは新機能の開発だけでなく、テストやリリース後の問い合わせ、保守メンテナンスも含めて開発者自身が全て行っていましたが、お客さまが増えてくると問い合わせの数も増え、計画されたタスクもこなせなくなってきます。加えて、エンタープライズへの導入が進むたびにプロダクトに対する高い品質が求められることに。そこで、高い品質を担保するべくQAチームを作り、専門性を持って品質を保証していくという環境を整備しました。開発においても、予定されていた開発タスクと突発的な保守にまつわるタスクをそれぞれ専門的に実施するチームを作るなど、開発組織も大きく進化させていきました。プロダクトの成長とともに開発組織も成長してきたという思いが強いですね。

石井

私自身もDataSpiderとの関わりは最近ですが、内部的なJDKのバージョンを上げていくとどうしても挙動が変わるところが出てきます。内部のコードはブラッシュアップしながらも、お客さまから見た振る舞いは変わらないよう強く意識しました。昔からお使いいただいている多くのお客さまに対しては、“変わらない”ことが価値の1つでもあります。変わっているように見せないことに労力を割くなど割と苦労しましたね。開発後にテスト工程がありますが、開発工程の段階で先行して互換性の確認テストを進めるといったプロセスを採用し、上流工程で互換性検証を行っていったというのがアプローチとして工夫した部分です。

苦労が伴うバージョンアップ開発ですが、それを支える想いというのは?

石井

私はDataSpider Servistaの開発チームにジョインする前は、いわゆるSI部門でDataSpider Servistaを使ったインテグレーションを行っていましたが、とあるお客さまが他社にもDataSpider Servistaを勧めていただくなど、ファンを公言していただいていました。ユーザーイベントなどでもDataSpider Servistaの魅力というテーマでLTで話していただけるほどコアなファンの方が多い印象で、多くの人を惹きづける何かがあることは強く感じています。そんな人たちを思い浮かべながら、期待を裏切らないように変わらないものづくりをしていこうということをいつも意識しています。

何が多くの人を惹きつけているとご自身は感じていますか?

石井

おそらくプログラムを組んだ経験があればより一層感激する部分かと思いますが、手触り感のある、直感的な操作性かなと。アイコン同士をデータフロー、プロセスフローでつなげて設定していくだけでデータ連携の処理が作れてしまうというのは本当に素晴らしいものです。割と安定しているところも魅力の1つなのではないでしょうか。また、ファンタジスタという名前には、多芸多彩を意味するだけでなく、いろいろなアイデアで観客を沸かせるという意味もあります。小野さんのようなポジティブサプライズが好きなメンバーのマインドが詰まっている部分も、うまく製品に反映されているのではないかと思っています。

HULFT Squareの位置づけとDataSpider Servistaの今後

DataSpider Servistaの今後について教えてください。

佐々木

月並みではありますが、安定的にデータ連携を実現するという価値は変えずに提供していきたいところです。ただ、IaaSなどのクラウド環境やオンプレミス、SaaSのようなサービスなど、データが置かれる場所がこれまで以上に分散されていくなかで、その置き場所を意識させずにお客さまのやりたいことを実現できるような基盤を提供するために何かにチャレンジしていく意味は確実にあると思っています。クラウドにあるHULFT SquareとオンプレにあるDataSpider Servista双方を持っていることでの柔軟性は、我々にとっても大きな価値だと考えており、これまで以上にお客さまの基盤に入っていけるようなプロダクトを目指していくのが1つの道だと考えています。

石井

生成AI活用などは潮流として必然ですので、我々としてはそこに至る前段階の基盤を整えるということに注目した今回のバージョンアップとも言えます。AI活用に目を向けて考えていくことが今後の大きな流れの1つであることは間違いありません。コードがAIで生成できてしまう時代に、数年後にはスクリプトを手作業で作っているというイメージは個人的にないかと思っています。自然言語で指示を出してコード生成するVibe Codingのような世界観は、今後DataSpider Servistaにおいても重要になってくると考えています。

有馬

オンプレミス環境で確実かつ安全に連携させるDataSpider Servistaとクラウドサービスとの連携を実現するHULFT Squareという立ち位置が大きくありますが、今はこの2つを融合させて、HULFT SquareのエージェントとしてDataSpider Servistaを動かしていくといったことの議論を進めています。そして、AI時代における安全性などを念頭に、AIとデータをいかにつなげていくのか、エージェントオーケストレーションとしての機能がHULFT SquareやDataSpider Servistaの基盤に入ってくると考えています。お客さま自身が作成したワークフローをベースにして、人の目が介在した承認済みのデータをAIに渡すことで回答を促すといったところは、どちらのプロダクトにも必ず問われるはずで、現場のニーズにも合ってくることでしょう。
安定してサクサク動作するといった、お客さまから支持を集めているDataSpider Servistaとともに、サービスとしてのユーザーマネジメントや権限管理、そしてGDPRといった海外展開を見据えた個人情報保護に関する要件などに準拠したHULFT Squareは、今後も継続して磨きをかけていきます。

DataSpider生みの親である小野氏から、HULFT Squareはどのように見ていますか。

小野氏

HULFT Square単体というよりは、HULFT SquareとDataSpider Servistaが両方あることの意味は大きいと考えています。クラウドファーストで全てクラウドに持っていくことが正義みたいな時代が長く続いていましたが、最近はオンプレミスへの回帰について言及されることも増えてきました。データやインフラの主権を自社の手元に維持して各国の法令対応を進めるソブリンクラウドなどの議論がその一例です。
クラウドの価値は色褪せることはないものの、クラウドに合わせてオンプレミスという選択肢も戦略的に考えるといったアーキテクチャを検討するケースもここにきて増えつつあります。どちらも選択できて双方をつなげていけるという、これからの時代に求められることがきっちりカバレッジできているというのは大きいのではないでしょうか。

DataSpiderとは何者なのか

最後に、DataSpiderを一言で表現いただけますか。

小野氏

ファンタジスタが語源に入るように、あまり型にとらわれず柔軟にいろんなものをつないでしまう、魔法のようなプレイヤーでしょうか。事実そういうものを目指して作ってきたプロダクトですので。
ただ、個人的にはもっとファンタジスタであって欲しい。私自身クレディセゾンにきて外から眺めるようになって数年経っていますが、世の中から見るとDataSpiderは開発が遅いという声をよく耳にします。今回はバージョン5が出て基幹部分がバージョンアップできたことで、変化に向けた足場が固まったところもあるのではないでしょうか。Servistaという名前に込めた、“ファンタジスタのように自由につないでいく”という想いをこれからも大切にしていってほしいです。

有馬

当初はHULFTとSIを手がける企業だった我々がDataSpiderを扱うようになって実感しているのは、自分たちでデータをつなげられるようになったということ。まさにDataSpiderはデータインテグレーションの源泉と言えるのではないでしょうか。おそらく多くのお客さまも同じように実感されているがために、DataSpiderのファンになっていただいているのではないかと思っています。まさにデータインテグレーションの力の源泉と表現できるのではと考えています。

石井

お客さまのビジネスの中核を成しうる重要なミドルウェアであり、コアなファンの方が大勢いらっしゃる不思議な魅力を持ったソフトウェアというのが私の感じているところです。確かに開発が遅いという声は私も耳にしているところですので、いろいろなアイデアで観客を驚かせるファンタジスタへの原点回帰として、素早くあっと言わせるようなものをしっかり作っていきたいですね。

佐々木

自分目線で言えば、DataSpiderはエンジニアとしての原点であり、お客さまとパートナーさまと共に成長し続けるプロダクトです。その意味でも、オンプレミスからクラウドシフト、生成AIの登場も含めて、お客さまが持つモダナイズされたシステムにDataSpiderがどんな価値を持って入っていけるのか、今後もとことん突き詰めていきたいと考えています。
 最終的にプロダクトを形作るのは、やはりコードです。一行一行がその価値につながることを開発者自身が意識しないと、いいプロダクトは作れない。私もしばらくDataSpiderの開発から離れていた時期もあったため、メンバーの育成や採用も含めて、その想いをしっかりと継承していけるエンジニアリング組織を作っていきたいと思っています。

つなごう、これからも。


25年の歩みの先にあるのは、これからの業務を支える新たな進化です。
これからのデータ活用につながる情報を、ぜひご覧ください。

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