2024年9月12日 更新

キャリアデザイン研修の目的・効果とは|年代別のプログラム内容も紹介

キャリアデザイン研修とは、従業員が自ら今後のキャリアについて考え、目標設定をサポートするための研修のことです。変化の激しい時代に対応できる、主体性のある人材育成に効果的であるとして、今注目されている研修です。この記事では、キャリアデザイン研修の意味や効果、年代別のプログラム内容などについて紹介します。

キャリアデザイン研修とは

過去・今・未来と書かれた付箋

キャリアデザイン研修とは、これまでの仕事での経験を振り返ることで自分自身への理解を深め、今後どうありたいか、これからの働き方を設計するためのサポートとなる研修のこと。スキルや知識を蓄えるための研修ではなく、考え方を鍛える点が特徴です。自分の理想の姿を明確にし、次のステップへ進むためのきっかけ作りとして有効と考えられています。

キャリアデザインとは|必要とされる背景や設計方法と企業の支援例

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キャリアデザイン研修が注目される背景

会議室の上に浮かぶグローバル社会のイメージ

めまぐるしい社会情勢や労働環境の変化に合わせた企業研修が今求められています。キャリアデザイン研修が近年注目されている背景について解説します。

変化の激しい時代への対応力が求められている

現代社会は、環境の変化が激しく予測困難なVUCA(ブーカ)時代と呼ばれています。AIをはじめとしたテクノロジーの発展、感染症の流行、雇用制度の変化など、めまぐるしい変化の中で企業が存続していくためには、企業が主体となるのではなく、従業員1人1人が自分に求められている役割を考え主体的に行動していく力が必要です。時代に合わせた研修を受けることで、自ら行動して企業に貢献できる人材になれます。

【VUCA(ブーカ)】とは?VUCA時代に適応するための術を解説

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労働市場が変化の過渡期にある

終身雇用の崩壊、雇用形態の多様化、定年の引き上げなど、労働市場も急速に変化しています。現代は「企業が従業員を選ぶ」時代ではなく、企業と従業員はともに「選び・選ばれる」関係です。企業も従業員が適切にキャリアを積み、長く自社に貢献してもらうために、さまざまな研修や施策を実施しているので、積極的に活用していきましょう。

働き方の多様化により選択肢が増えている

リモートワークや在宅勤務の増加、副業の解禁など、働き方の選択肢が増え、各人が理想とする働き方を選べる時代になってきました。自分の今後のキャリアを考える上では、自分がどんな理想を描いているのか知ることが大切です。

キャリアデザイン研修で得られる効果

笑顔で走るビジネスマン

キャリアデザイン研修は、仕事に対する主体性やモチベーション、エンゲージメントの向上に役立つと考えられています。キャリアデザイン研修で期待される効果について見ていきましょう。

主体的に動ける人材になれる

キャリアデザイン研修では、主体的に行動できる人材の育成を大きな目標としています。指示を受けなくても自ら考え業務を進められる人材は、めまぐるしく変化する環境の中で企業が永続的に発展していくために必要不可欠です。企業に与えられた目標を達成するのではなく、自分自身で目標を設定し行動していくためには、キャリアデザイン研修が役立つでしょう。

モチベーションや生産性の向上につながる

キャリアデザイン研修で自分の目指すべき姿が明確になると、実現するために必要なアクションがはっきりとし、計画的に努力していけるようになります。目標に近づいていることが実感できると、仕事に対する満足度やモチベーションも向上するでしょう。結果的に組織の活性化や、生産性の向上にも貢献できます。

自社で長く成長していける

従業員1人1人のキャリアビジョンを大事にしてくれる企業には、長く貢献したいもの。キャリアデザイン研修によって企業と自分の希望を擦り合わせることで、すれ違いからの離職を防げます。企業にとっても適切なサポートを行いやすくなるので、今後の成長にも役立ちます。

【年代別】キャリアデザイン研修の目的とプログラム内容

企業研修の様子

年代に合わせたプログラムを受けることで、より研修の効果が高まります。キャリアデザイン研修の年代別の目的と、おすすめのプログラム内容を紹介します。

【20代】スキル形成と今後を見据える力を養う

20代のキャリアデザイン研修の目的は、戦略的にスキルを身につけ、いちはやく組織に貢献できる人材になること。業務で必要となる基本的なスキルに加え、30代になった時のキャリアも徐々に意識しましょう。ワークショップ形式の研修なら、他の受講者と接しながら貪欲にスキルアップを目指せます。

<20代向けの具体的なプログラム例>


  1. キャリアデザインについて知る

  2. これまでの自分を振り返り、自分の特徴を知る

  3. Must(求められていること)・Can(できること)・Will(やりたいこと)でキャリアを考える

  4. 3年後、5年後に自分が求められていることを考える

  5. 今後のありたい姿を明確にし、具体的な目標を設定する


【30代】リーダーシップを育成する

30代のキャリアデザイン研修の目標は、スキルを深めてリーダーシップを育成すること。伸び悩みを感じている人には、悩みを解消できるようなプログラムもおすすめです。ワークショップの他に、上司との1on1で悩みを相談したり、キャリアの再評価を受けたりするのも有効です。

<30代におすすめのプログラム内容>


  • コーチング研修

  • リーダーシップ研修

  • 自分の強みを知る自己分析

  • キャリアプランニング


【40代】活躍できる領域を広げる

40代のキャリアデザイン研修の目的は、自分の強みを再確認し、幅広い視野を持って活躍領域を開拓していくこと。ワークショップに加え講師や上司との個別面談が効果的です。

<40代におすすめのプログラム内容>


  • パーソナリティ診断

  • これまでのスキル・経験の棚卸し

  • 40代で期待される役割・スキルについて考える

  • 今後30年のキャリアをシミュレーションする


【50代】引き続き活躍できる場を開拓する

50代のキャリアデザイン研修の目的は、定年を控えていても引き続き組織で活躍できるように、豊かなキャリアビジョンを描くこと。経験豊富な50代は、次世代を育てる指導者として重要なポジションです。個別に深く考える時間を設けたワークショップなら、今後を考える良い機会となるでしょう。

<50代におすすめのプログラム内容>


  • これまでとこれからの「働く理由」の違いを考察する

  • 自分の強みを活かして組織で貢献できる領域を考える

  • これまで積み上げた知識の中から後輩に伝承したいことを考える

  • 新たにチャレンジしたいことを書き出す


キャリアデザイン研修はどんな人におすすめ?

カラフルな付箋を見ながら話し合うビジネスマン

キャリアパスに悩んでいる人や、今後の働き方を考えたい人には、キャリアデザイン研修が向いています。キャリアデザイン研修をおすすめしたい人について紹介します。

将来像が描けず何をすれば良いか悩んでいる人

今後自分がどんな道に進むべきか悩んでいる人には、キャリアデザイン研修が大きなサポートとなります。これまでの経験や自分自身の強みを再確認することで、自分のキャリアの方向性が見出せるようになります。キャリアの方向性が定まれば、実現に向けたロードマップを描けるようになるでしょう。

キャリアアップに向けて必要な力を養いたい人

自社での昇進やキャリアアップを見越した転職を考えている人にとっても、キャリアデザイン研修は有効です。キャリアデザイン研修では、移り変わりの激しい社会や企業の要求への対応力を高められます。変化に順応できる人は業界でも高い評価を受けられ、キャリアアップにつながるでしょう。

ワークライフバランスを重視したい人

キャリアデザイン研修は、仕事とプライベートのバランスを向上したい人にも役立ちます。研修の中で自分自身への理解を深め、自分の価値観に合ったキャリアプランを考えることで、プライベートな時間も大切にした仕事選びができます。プライベートが充実すれば仕事の満足度も高まり、自分自身の成長も感じられるはずです。

自分の強みを引き出すキャリアデザイン研修を活用しよう

グラフを見ながら話し合うビジネスマン

キャリアデザイン研修は、従業員の主体性の育成やモチベーションアップ、エンゲージメント向上を目的に行われています。ポジションや年齢に合ったキャリアデザイン研修を受けることで、より自身のキャリアパスが明確になり効率的に成長を感じられるようになります。今後のキャリアプランに悩んでいる人は、積極的にキャリアデザイン研修受け、キャリアアップに役立てましょう。

※記載の情報は、2024年8.月時点の内容です。

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