2022年4月25日 更新

ロジカルシンキングとは?フレームワークやトレーニングで思考力を鍛えよう

ロジカルシンキングは、効率的に結論を導き出すための考え方のひとつです。本記事では、ロジカルシンキングの概要や、ロジカルシンキングで用いられるフレームワーク、トレーニング方法などを解説します。ロジカルシンキングを身につけたいと考えている人は、フレームワークやトレーニングを取り入れてみてください。

ロジカルシンキングの概要

まずは、ロジカルシンキングの概要を確認しておきましょう。ロジカルシンキングとはどういったものか、クリティカルシンキング・ラテラルシンキングとの違いなどを説明します。

ロジカルシンキングとは?

ロジカルシンキングは、日本語で「論理的思考力」と呼ばれるもの。物事を体系的に整理し、筋道を立てて考えることを意味します。直感や感情など、感覚を重視して行動することとは真逆の考え方です。

ロジカルシンキングでは、下記が大切なポイントとなります。


  • 筋道を立てること。

  • 偏りなく物事をとらえること。

  • 物事を適切に分解し、重要度を見極めること。

  • 因果関係を見極めること。

  • 言葉や数字を正しく使うこと。

ロジカルシンキングになっていない例

ロジカルシンキングになっていない例を挙げることで、ロジカルシンキングがどういったものか理解しやすくなります。例えば、結論がはっきりしない話はロジカルシンキングができていません。情報を整理し、体系的に考えられていないため、結論にたどり着けていないと考えられます。

また、言いたいことがまとまっていない話も、ロジカルシンキングになっているとは言い難いでしょう。情報や論理がしっかりと組み立てられておらず、どこに論点がおかれているかが不明な状態です。

周囲から「何が言いたいのかわからない」と言われる人は、ロジカルシンキングができていない可能性があります。

クリティカルシンキングやラテラルシンキングとの違い

クリティカルシンキングは「批判的思考」と呼ばれるものです。物事を論理的に考える部分はロジカルシンキングとリンクしますが、前提条件や目的を疑うことで無意識の思い込みから離れ新しい視点で考えるという、ロジカルシンキングにはない特徴があります。

ラテラルシンキングは「水平思考」のこと。既存の考え方を取り払ったり、既存の考え方を活かしたりしながらより自由な発想で思考することを指します。「垂直思考」とも呼ばれるロジカルシンキングとは、思考の前提や結論を導き出す過程が異なります。

ロジカルシンキングを活かせる場面/避けた方が良い場面

ロジカルシンキングは問題解決や営業資料作成、プレゼンテーション、交渉などの場面で効果を発揮します。これらをスムーズに行うためには、周囲からの共感や納得を得られる論理が必要となるためです。

しかし、現在見えている情報をもとに結論を導き出すロジカルシンキングは、全く新しい発想が必要なシーンには不向きと言えます。そういったシーンでは直感的な部分も求められるため、クリティカルシンキングやラテラルシンキングなどの自由な発想を重視した思考が適しています。

また、相手の気持ちに寄り添うことが優先される相談などのシーンでは、機械的ともとらえられるロジカルシンキングは敬遠されるかもしれません。

ロジカルシンキングを鍛えるメリット

ロジカルシンキングにはさまざまな強みがあります。ロジカルシンキングを鍛えることで得られる主なメリットを見ていきましょう。

問題解決に活かせる

ロジカルシンキングは非常に汎用性が高い考え方です。何か仕事でつまずいたとしても、ロジカルシンキングを活かすことで、解決策を論理的に導き出せます。仕事だけではなく、プライベートでも問題解決のために活かせるスキルと言えるでしょう。

スムーズに意思決定ができ生産性がアップする

ロジカルシンキングにより、問題解決までの無駄な作業を削減可能なので、最小限の時間でスムーズな意思決定ができるようになるでしょう。すばやく意思決定できれば、時間を効率的に使えるため、生産性アップも期待できます。

客観的な考え方が身につく

個人のバイアスに影響せず物事を考えていくのがロジカルシンキングです。そのため、ロジカルシンキングを鍛えることで、客観的な考え方も身につきます。客観的思考により、分析力やコミュニケーション能力が向上すると会議などの場面で役立つでしょう。

ロジカルシンキングが身につくフレームワーク

フレームワークとは、何かを行う際に共通で使用できる定型的な仕組みです。実際にロジカルシンキングを行うときには、いくつかのフレームワークに当てはめて考えます。ここでは、ロジカルシンキングを身につけるためのフレームワークを紹介します。

演繹法・帰納法・弁証法

演繹法・帰納法・弁証法は、大前提となることや実例を分析し、筋道を立てることで結論を見出す手法です。


  • 演繹法(三段論法)

  • 一般論・観察事項・結論の3つから成る論法です。

    例:一般論「人間は食べ物を食べる」と観察事項「太郎は人間である」から、結論「太郎は食べ物を食べる」が導き出されます。


  • 帰納法

  • 多くの実例において共通点を見つけ出し、結論を導き出す手法です。

    例:「りんごA・りんごB・りんごCは甘い」という実例から、「りんごは多くの場合が甘い」という結論に至ります。


  • 弁証法

  • 肯定的な事柄に否定的な事柄を組み合わせ、双方を解決できる統合案を導き出す手法です。

    例:肯定が「パソコンを購入する必要がある」、否定が「お金をあまり使用できない」である場合、統合案は「予算内に収まる金額のパソコンを購入する」となります。

ロジックツリー

ロジックツリーは、問題点やテーマを置き、そこにつながる原因などを樹形図のように発展させ、体系的に整理していくフレームワークです。問題点を洗い出したり、問題の発生原因を探ったり、問題解決策を導き出したりしやすいことが特徴です。

例えば「A事業の売上が伸びない」というテーマを頂点に置いた場合、そこから事業に関わる部署ごとの問題点を書き出し、さらに細かい業務ごとの状況を書き出せば、原因や解決策を探れます。

ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーは、頂点に重要な主張や結論などを置き、そこにつながる根拠をピラミッドのような形になるよう下に配置していくフレームワークです。

例えば「A事業を行うべき」という結論に対し、その下に市場の状況や競合他社の状況、自社の強みなどの根拠を並べて思考を発展させていきます。帰納法とリンクする部分があり、合わせて使えばより説得力のある思考が叶うでしょう。  

ロジカルシンキングのトレーニング方法

ロジカルシンキングは、トレーニングによって鍛えることが可能です。ここでは、ロジカルシンキングの具体的なトレーニング方法を紹介します。

フェルミ推定の問題を解く

フェルミ推定とは、一つ一つ数えるのが困難な数字を論理的に考えて概算する方法のことです。例題としてよく見られるのは「日本のマンホールの数」「日本の電柱の本数」など。推定の材料となるさまざまなデータを使用し、ざっくりと数字を出します。

「日本には冷蔵庫がどれくらいあるのか」という例題なら、「冷蔵庫は世帯におおよそ1台」と考えられるため、日本の世帯数がそのまま冷蔵庫台数になります。このような問題を解くことで、筋道を立てた考え方が鍛えられるでしょう。

ディベートを行う

ディベートはひとつのテーマに対し、肯定・否定の立場に分かれ、それぞれの観点から主張して議論を行うものです。テーマを客観的に分析し、筋道を立てて主張する必要があるため、必然的にロジカルシンキングのトレーニングになります。実際に何人かでディベートを行う他、自分自身が肯定・否定どちらの役割も担うセルフディベートも有効です。

研修・セミナーを受講する

ロジカルシンキングをテーマにした研修やセミナーを受講するのも方法のひとつです。基本的な部分から応用例まで幅広く学べることに加え、疑問点を講師に尋ねて解決できるのも魅力。

研修の中でグループワークなどを行う場合が多く、他者の意見や考え方に触れながら学べます。フェルミ推定の例題やディベートなどが盛り込まれていることもあり、総合的にロジカルシンキングを底上げできます。

ロジカルシンキングを鍛えて効率的に物事を進めよう!

ロジカルシンキングは、仕事や日常生活のさまざまな場面に応用できる考え方です。フレームワークに当てはめて整理したり、トレーニングして鍛えたりすれば、論理的な思考力を身につけられるでしょう。ぜひ本記事を参考に、ロジカルシンキングについて理解を深め、鍛えてみてください。

※記載の情報は、2022年4月時点の内容です。

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