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メタ認知とは?能力を高めるメリットやトレーニング方法について解説
スキル
トレーニング
メタ認知
メリット
2022年12月26日 更新
メタ認知とは?能力を高めるメリットやトレーニング方法について解説
メタ認知とは、自分自身の行動や思考そのものを認知の対象として、自分自身を客観的に認識することです。メタ認知を高めることで、仕事に有用なさまざまなスキルも身に付けられます。本記事では、そんなメタ認知についてくわしく解説。メタ認知の概要やメタ認知が高い人の特徴、メタ認知を高めるメリット、具体的なトレーニング方法などを紹介します。
メタ認知とは
認知とは、考える・感じる・判断するなど、外界の対象を知覚すること。メタは外側からの視点で物事を見ることです。これらの言葉を組み合わせたメタ認知は、自分自身を外側からの視点で見ること、客観的な立場から考えることを指します。
もともとはアメリカの心理学者が提唱したもので、心理学や学問の世界で使用されていた概念です。近年はビジネスや人材育成の分野でも重要視されています。
メタ認知の2つの種類
メタ認知は2種類の部分から構成されています。正しくメタ認知を行うためには、どちらも適切に把握・実行することが重要です。メタ認知の各種類について見ていきましょう。
メタ認知的知識
メタ認知的知識とは、自分が自分自身について知っている知識のこと。主に人・課題・方略に関する知識を言います。
人に関する知識
自分自身の性格や長所・短所など、自分自身を分析して得た知識のこと。
課題に関する知識
「長い時間作業を続けているとミスが出やすくなる」など、経験などから得た知識のこと。
方略
課題を解決するための知識。例えば「複雑な説明は、図などの視覚的表現を入れた方がわかりやすい」など。
メタ認知的技能
メタ認知的技能とは、メタ認知的知識を踏まえた次のステップに当たる部分。自分を分析し、課題解決のために必要なことを見出す能力です。メタ認知的技能は、さらにモニタリングとコントロールという2つの行動に分けられます。
モニタリングはメタ認知的知識を当てはめて自分を確認し、対策が上手くいってるかなどを判断することです。コントロールはモニタリングを踏まえ、感情をコントロールしたり、行動を工夫したりすることを言います。メタ認知的知識だけ身に付けていさえすれば良いわけではなく、知識を応用し技能を実践することが重要です。
メタ認知が高い人の特徴
メタ認知が高い人によく見られる特徴がいくつかあります。この特徴に当てはまっている人がいれば、メタ認知が高いタイプかもしれません。具体的な特徴を紹介します。
他者への配慮ができる
メタ認知が高い人は、物事を主観ではなく客観的にとらえ、判断します。そのため、自分と周囲の関わりなども一歩引いた目線で見ることができ、結果、他者への的確な配慮につながります。
また、他者の中の自分の立ち位置や役割などを理解し、空気を読んだり場を整えたりすることも得意です。物事をさまざまな観点から広く見られることが、全体への上手な気配りにつながっていると言えるでしょう。
柔軟性があり冷静な対応ができる
メタ認知が高い人は俯瞰的にとらえるスキルが優れているため、感情に振り回されることなく物事を分析し、その時々で柔軟に対応することが得意です。また、感情をコントロールし、冷静に対応する能力にも長けています。いつでも落ち着いていて、突発的なことにも慌てることなく対処できる人という印象を持たれやすいでしょう。
成長欲が高い
メタ認知が高いと、自分を主観抜きでとらえ、ブラッシュアップしていけるため、ネガティブな感情に陥りにくくなります。そして、自身の成長に必要なことは何か、どうすれば改善していけるのかを分析し、実際に行動を起こすことができます。
メタ認知を高めるメリット
メタ認知を高めることで、関係するスキルも磨かれていきます。さらに、メタ認知をビジネスに活かすことができれば、仕事の幅がより広がる可能性も。ここでは、メタ認知を高めることにより得られる主なメリットを見ていきましょう。
激しく変化する現代社会に対応できる
主観にとらわれることなく、物事を冷静に分析・判断し、柔軟に対応できるメタ認知の力は、変化の激しい現代社会において非常に有益です。激しい変化の中でも、その都度感情的になることなく、しっかり本質を見極めて行動できるため、臨機応変を求められるビジネスの場でも重宝されるでしょう。
課題解決能力が身に付く
メタ認知の流れは課題解決のためのステップとよく似ています。そのため、メタ認知を高めることで課題解決能力も身に付けられます。課題解決能力は、仕事においても重要なスキル。現場の業務で活用できるのはもちろん、管理職などで人や事業をまとめる立場の人にも不可欠です。
他者と円滑にコミュニケーションが図れる
自分と他者との関係を客観的にとらえ、どのように接していくべきか考えられることは、他者との円滑なコミュニケーションにもつながります。コミュニケーションスキルは、幅広いビジネスにおいて重要視される能力の1つです。
メタ認知を高めるためのトレーニング方法
メタ認知はトレーニング次第で高めることができます。最後に、効果的なメタ認知のトレーニング方法を紹介します。
セルフモニタリング・コントロールを積み重ねる
メタ認知的技能のモニタリング・コントロールをセルフで行うことが、トレーニング方法の1つです。具体的には、日々の自分の行動についてモニタリングとコントロールを行います。
例えば、日常生活で起こったトラブルやミスなどを取り上げ、「なぜそうなるに至ってしまったのか」「対応策として何が考えられるか」などをモニタリングします。そして、モニタリングした内容を実際に実行しコントロールしてみましょう。モニタリングは、経験を積み重ねないとなかなか身に付けられません。身近な題材などで積極的にモニタリングの練習を積み、慣れることが重要です。
自分の思考を書き出す
自分の考えを紙に書き出すこともメタ認知のトレーニングになります。自分が感じたことを紙に書き出すと、モニタリングしやすくなるからです。例えば、日記を書き続けるのも方法の1つです。
また、自分が認知していることを紙に書き出すことによって可視化され、悩みや不安などが明確になります。そうすると、気持ちをコントロールしやすくなる効果も期待できます。
メタ認知に関するコーチングを受ける
メタ認知はコーチングを受け、高めることも可能です。コーチングによって、自分ではなかなか認知できなかった自分自身への気づきが得られるでしょう。職場においては、上司が部下にコーチングを行い、部下のメタ認知を高めるなどの例があります。また、外部から専門家を招き、社内で研修・セミナーを開いている企業も見られます。
メタ認知を高めて仕事に役立てよう
メタ認知は自分自身をより深く理解し、行動や感情をコントロールするために役立ちます。メタ認知を高めれば、仕事をさらに気持ち良く効率的に進められるでしょう。「自分はメタ認知が高くない」と感じている人も、トレーニングを積み重ねることで、徐々に高めることが可能です。ぜひメタ認知についてくわしく知り、自分自身がメタ認知できているか、どのように高めていくのか、考えてみてください。
※記載の情報は、2022年12月時点の内容です。
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