2024年10月30日 更新

生成AIの種類は4つ!代表的なサービスやビジネス活用例を一挙紹介

指示を出すだけで新たなコンテンツを創出できると話題の生成AI。技術の進歩により日々できることが増えてきており、現在の代表的な種類はテキスト生成・音声生成・画像生成・動画生成の4つです。この記事では、生成AIの特徴や、種類ごとの特徴と代表的なサービス、ビジネスシーンでの活用例を紹介します。

そもそも生成AIとはどんな技術?

AIの文字が浮かぶ電球を持つ人の手

生成AIとは、ディープラーニングという手法を用いて自分で学習し、独自のコンテンツを創出できるAIを指します。まずは生成AIの特徴や仕組み、従来のAIとの違いについて押さえておきましょう。

生成AIの特徴

生成AIとは、テキストや画像、コードなどを自ら学習し、新たなコンテンツを生成するAIのこと。「生成系AI」や「Generative AI(ジェネレーティブAI)」とも呼ばれます。とはいえ生成AIに明確な定義はなく、一般的に「機械学習によりさまざまなコンテンツが生み出せるAI」として浸透しています。

生成AIの仕組み

生成AIは人間に与えられたプロンプト(指示)を自然言語処理で理解し、大量の学習データを活用して指示に沿ったオリジナルのコンテンツを創造します。データ分析の際には「ディープラーニング(深層学習)」という機械学習の手法が用いられます。ディープラーニングとは、AIが自ら学習を重ねることを可能にした技術です。この技術により複雑で高度な回答を導き出せるようになりました。

従来のAIとの違い

生成AIと従来のAIとの違いは、「オリジナルコンテンツの創造が可能かどうか」にあります。従来のAIは、学習したデータの中から指示に合ったデータを探して提示するもので、回答するのは既存のコンテンツです。一方、生成AIは学習したデータを参考にさらに自らで学習をし続け、指示に沿った新しいコンテンツを創造して提示します。

生成AIができること・できないこと

生成AIにできるのは、あくまでも学習したデータを活用したコンテンツの生成です。人間のような独自の考えや価値観に基づく主観的・自律的な創造、感情の理解、学習したデータの範囲外の生成は苦手としています。

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生成AIの種類①:テキスト生成

パソコンでAIとチャットをする人

ここからは、生成AIの代表的な4つの種類について紹介していきます。まずは生成AIの先駆けとなったテキスト生成AIの特徴、代表的なサービス、活用例を見てみましょう。

テキスト生成AIとは

テキスト生成AIとは、フォームにプロンプトと呼ばれる指示・質問を入力して送信すると、回答となる適切なテキストを生成する対話型の生成AIのこと。プログラミング言語ではなく、人間が日常的に使用する自然言語で対話できる点が特徴です。日本語対応のサービスも多く、チャットのような会話や外国語の翻訳、文章の要約や修正などができます。

代表的なサービス

テキスト生成AIの代表的なサービスには、以下のようなものがあります。

<ChatGPT(OpenAI社)>

生成AIを一般層まで広めることに貢献したChatGPT。テキストボックスに質問を入力して送信すると、最適な回答を自動的に返信してくれる対話型の生成AIです。テキストだけではなく、画像・動画・音楽の生成も可能です。

<Gemini(Google社)>

GeminiというとGoogle社が提供する生成AIサービス全般を指しますが、ChatGPTのような対話型のテキスト生成ツールがとくに有名です。

<DeepL Write(DeepL社)>

翻訳サービスで有名なDeepL社が提供するAIツールです。ライティングを支援してくれるサービスで、文章を入力すると内容の推敲ができます。

ビジネス活用シーン

テキスト生成AIの用途は幅広くあります。ビジネスではとくに以下のようなシーンで活躍するでしょう。


  • 書類・メールなど文章チェック

  • 長文データの要約

  • 外国語の翻訳

  • キャッチコピーのアイディアの創出

  • プログラミングのコード生成・デバッグ など


生成AIの種類②:音声生成

パソコンにかけられたヘッドフォン

音声を生成できるAIの活用も広がっています。音声生成AIの特徴、代表的なサービス、活用例を紹介します。

音声生成AIとは

音声生成AIとは、音声やテキストで指示を出すことで、新たな音声データを生成できるAIです。例えば学習させた人の声を使って、音声案内やナレーションを作成できます。動画やアバターに手軽に音声をつけられるとして、活用の幅は広がってきています。

代表的なサービス

音声生成AIの代表的なサービスを見ていきましょう。

<Speechify (Speechify社)>

書類や記事、メール、PDFなどのあらゆる文章を読み上げてくれるサービスです。アプリ版もありスマホからも簡単に扱えるところが便利です。

<Murf AI(Murf.AI社)>

テキストから音声への変換ができるサービスです。多言語での変換が可能なので、外国語の音声がほしい時に重宝するでしょう。ビデオの作成も可能です。

<ReadSpeaker(HOYA社)>

人間らしい自然な音声を出力できる高性能音声生成AIツールです。ただ文章を読み上げるのではなく、喜怒哀楽の感情を乗せた音声データが作成できます。

ビジネス活用シーン

音声生成AIは以下のようなシーンで活用できます。


  • 音声入力

  • 留守番電話・ガイダンスなどの音声データの作成

  • コールセンターの自動応答

  • 動画・説明資料のナレーション付け

  • 会議音声の文字起こし など


生成AIの種類③:画像生成

考える女性とたくさんの画像

一般層にも話題となっている画像生成AI。その特徴や代表的なサービス、活用例を紹介します。

画像生成AIとは

画像生成AIとは、イメージをテキストで入力すると、イメージに合った画像を生成するAIのこと。サービスによってイラストやアニメ調、実写、3Dなどテイストに特徴があります。画像を送信すれば、明るさやエフェクトの変更といった加工を施してくれるタイプもありまます。

代表的なサービス

画像生成AIの代表的なサービスが以下です。

<Stable Diffusion(Stability AI社)>

プロンプトをもとに、さまざまなテイストの画像やイラストを作成できるサービスです。

<Midjourney(Midjourney社)>

画像生成AIブームの火付け役となったMidjourney。音声通話アプリ「Discord」と連携して指示を出すことも可能です。

<Adobe Firefly (Adobe社)>

さまざまなクリエイティブツールを提供するAdobe社がリリースした画像生成AIサービスです。生成する画像は、Adobeのストックフォト「Adobe Stock」から抽出するため、著作権を侵害せず安全に利用できます。

ビジネス活用シーン

画像生成AIは、資料作成や広告作成などで大きな活躍が期待できます。


  • プレゼンテーション資料の図・挿絵の作成

  • 自社HPに使用する画像の作成

  • 自社の広告やバナーに使用する画像の作成

  • 商品画像の加工

  • デザイン案の作成 など


生成AIの種類④:動画生成

オフィスで動画編集をする男性

現在、開発が活発なのが動画を生成できるAIです。動画生成AIの特徴、代表的なサービス、活用例を紹介します。

動画生成AIとは

動画生成AIとは、イメージをテキストで入力するだけで、イメージに合った動画を生成してくれるAIです。アバターを使って動画を作れるサービスや、動画編集を効率化してくれるサービスもあります。まだまだ開発途中で、今後もっと品質の向上が見込め、長尺の動画生成なども可能になるでしょう。

代表的なサービス

動画生成AIの代表的なサービスでは、以下の2つが有名です。

<Gen-2(Runway社)>

テキストだけではなく画像・動画から新たな動画を生成できるサービスです。開発難易度が高い動画生成サービスの中でも、クオリティの高い動画の創出ができると話題です。

<Make-a-Video(Meta社)>

Gen-2と同様、テキスト・画像・動画から新たな動画を生成できるサービスです。独自の学習手法と技術により、類似サービスと一線を画したコンテンツが作れると注目されています。

ビジネス活用シーン

動画生成AIは、以下のようなシーンで活用できます。


  • 自社のプロモーション動画の作成

  • 従業員の教育動画の作成

  • 長尺動画からダイジェスト動画を生成 など


生成AIを活用する時の注意点

パソコンを使用する男性の上に表示された警告

生成AIサービスの使用において、著作権や個人情報の侵害に抵触するおそれがある点が課題となっています。安全に利用するためには、生成AIに学習させる情報の選出は十分に注意し、利用ルール・マナーを守った上で健全なコンテンツを生み出せるように活用することが大切です。

生成AIの種類ごとの特徴を活かせば業務が効率的に

パソコンでAIを操作する女性

生成AIは、従来のAIとは違いオリジナルのコンテンツを創出できる点が特徴です。現在、生成AIの技術を活かし、テキスト・音声・画像・動画生成などさまざまなサービスが誕生しているので、種類ごとの特徴を活かせばビジネスシーンでも活躍してくれるでしょう。日々進化を続ける生成AIは、これからも目が離せない存在です。

※記載の情報は、2024年10月時点の内容です。

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