2025年2月10日 更新

今注目の【データエンジニア】|仕事内容やスキルセット、転職に有利な資格を紹介

データ活用の重要性が謳われている今、データ収集の基盤作りを担う「データエンジニア」に注目が集まっています。本記事では、そんなデータエンジニアに焦点をあて、需要が高まっている背景や仕事内容、求められるスキルセット、キャリアパスなどを詳しく解説します。

データエンジニアとは?他のエンジニアとの違い

データエンジニアは、主にデータを有効活用できるような基盤を整える役目を担います。まずはデータエンジニアの役割や、混同されやすい職種との違いを押さえておきましょう。

データエンジニアの役割

データエンジニアとは、データ分析の分野の中でも特に基盤作りをメインに行うエンジニアのこと。データを収集した後は、大量のデータを効率よく活用するため加工や整理といった準備も行います。最近では、機械学習やAI向けの学習データの作成を担当することもあります。経済産業省が推進するDX(デジタル化)にも欠かせない存在であり、今後ますます需要が伸びると考えられている職種です。

その他のデータに関わるエンジニアとの違い

データに関わるエンジニアには下記のような種類があります。それぞれメインとなる業務や担当分野が異なるのが違いです。

データサイエンティスト ビッグデータから必要な情報を抽出し分析を行う
データアナリスト データの分析結果から企業の課題解決や新たなビジネス創出の提案を行う
データベースエンジニア データベースを構築し運用管理する
BIエンジニア BIツールを使ってデータ分析を行う

実際には担当分野の線引きが曖昧なケースが増えていますが、データエンジニアはあくまでもデータ分析を行うための準備までを行うのが基本です。

データサイエンティストとは?仕事内容や必要なスキル、資格について解説

データサイエンティストは、データを収集・分析し、その結果をもとに企業の課題解決に向けて提案を行う職種。ビッグデータ活用の拡大やAI関連の人材不足から、将来性が高い職種として注目されています。本記事では、データサイエンティストの概要や主な仕事内容、必要な知識とスキルについて解説。キャリアアップにおすすめの資格も紹介します。

データエンジニアの将来性は?近年注目される背景

ITが社会にとって欠かせない存在となっている現在、データの重要性にも注目が集まっています。例えば、膨大なデータをもとに思考や行動のパターンを導き出すAI、近年活用され始めているビッグデータなど、データと密接な関係にあるコンテンツが増え続けています。

一方でAIの台頭により、指示された通りのコードを書くだけのエンジニア、データ分析を行うだけのエンジニアは、将来性について危機感を覚える人もいるでしょう。

そこで注目されているのがデータエンジニアです。IT分野の中でも基盤作りや管理等インフラに携わるエンジニアは、今後も需要が伸びていくと考えられます。企業のDX推進にも重要なポジションとなり、データエンジニアの将来性は明るいと言えます。

データエンジニアの仕事内容

データを集めて整理するところまでがデータエンジニアの主な業務。ここでは、さらに詳しくデータエンジニアの仕事内容を解説します。

データを活用するための基盤の構築

データを有効活用するための基盤作りは、データエンジニアのメインとなる仕事です。必要となるデータの収集・保管・加工・分析を行えるシステムを構築します。

また、基盤を稼働させるためのインフラ整備や、基盤運用中の管理・保守を行うこともあります。

データの整理や加工

収集したデータの整理や加工もデータエンジニアの仕事です。データは収集したままの状態では適切に分析が行えません。スムーズにデータ分析を行えるように、かつ正確な分析結果を得られるようにするため、以下のようなことを担当します。

・重複するデータ、不要なデータの削除
・データを形式ごとに分ける
・データの形式を統一する
・破損したデータ、不正確なデータの修正 など

AI・機械学習用のデータ管理

AIはデータ分析においても活用されています。AIの精度向上のために学習させるデータを作るのはデータエンジニアの仕事です。期待の結果を得るには、システム内のデータを増やしたり、質の良いデータを取り込んだりすることが重要。AIがより高精度な分析を行えるよう、データを適切に整理しながら学習用のデータを作成していきます。

データエンジニアに求められるスキルセット

データエンジニアには、インフラ構築から運用まで、幅広い技術が求められます。データエンジニアとして活躍するために習得しておきたい基本的なスキルセットを紹介します。

データベースに関する知識

データの整理や加工を行うためには、データベースに関する知識は欠かせません。例えば構造化データ(CSVファイルのような規則性のあるデータ)のみを格納する「リレーショナルデータベース(RDB)」、RDBに命令を行うためのデータベース言語「SQL」、文書や画像など異なる形式のデータを格納できる「NoSQL」などに精通している必要があります。これらを設計・運用できるレベルになれば、一人前のデータエンジニアとして活躍できるでしょう。

インフラやクラウドに関する知識

データベースについてのスキルを身に付けるために、資格取得を目指すのも方法のひとつです。データベーススペシャリスト試験(IPA)・システムアーキテクト試験(IPA)・Googleプロフェッショナル データエンジニア(Google)・CCP データエンジニア認定試験(Cloudera)などは、データエンジニアの実際の業務にも活用できます。また、自分のスキルを客観的に証明するものとしても有用です。  

取得すべきIT系資格と特徴を解説! 転職やキャリアアップに役立てよう

自分のITスキルを客観的に証明したいときに有効なのがIT系資格です。IT系資格の取得は、転職やキャリアアップに有利にはたらきます。しかし、IT系資格は非常に多くかつ内容も多岐に渡るため、どの資格を取得すべきか悩んでいる人も多いでしょう。そこで本記事では、転職やキャリアアップに役立つIT系資格について詳しく解説します。

インフラやクラウドに関する知識・スキル

データ活用のための基盤構築に関連して、データエンジニアがインフラ分野を担うパターンもあり得ます。インフラを専門に扱うインフラエンジニアもいますが、幅広い知識を身につけておくことで他のエンジニアと差をつけられます。インフラと一口に言ってもネットワークやサーバー、クラウドなどの種類があるので、自分の強みを見つけましょう。

分散処理に関する知識

大量のデータを高速に処理するために、1台のサーバーにかかる負担を軽減できるよう複数のサーバーに分けて処理を行う「分散処理」という技術が使われます。分散処理の代表的なフレームワークとしては下記の2つがあり、データエンジニアとしては最低でもこの2つの特徴を理解し、適切に使い分けられるようにしておきたいものです。

Hadoop:大量のデータをコストを抑えて安定的に処理できる
Spark:Hadoopが苦手とするリアルタイム処理を実現する

基本的なプログラミングの知識

データ分析にもプログラミング言語が使用されるので、基本的なプログラミングの知識も求められます。とくにデータ分析の分野で使用される言語は下記です。

<データエンジニアが習得しておきたい言語>
・Python
・R言語
・Scala 
・Java など

未経験でデータエンジニアになるには?転職に役立つ資格

未経験からデータエンジニアになるのは、簡単ではないものの不可能ではありません。未経験からデータエンジニアになる方法と、転職に役立つ資格を紹介します。

未経験からデータエンジニアになれる?

データエンジニアには求められるスキルが多く、知識・経験が全くない状態では難しいと言えます。しかしIT業界は慢性的な人材不足であり、データエンジニアは今後も需要が高まると考えられることから、必要なスキルを身につければ未経験から目指すことも無理ではありません。まずは最低限のスキルを身につけ、自分の強みを明確にし、転職活動の際にアピールできるようにすることが重要です。

すでに他の分野のエンジニアとして活躍している人は、クラウドソーシングサイトやエージェントサイトなどで依頼を探し、副業(複業)でデータエンジニアを始めるという方法もあります。

データエンジニアにおすすめの資格

効率よくスキルを習得するため、また転職の際にスキルをアピールできるようにするためには、資格をとるのも有効です。ただし高難易度のものが多いので、しっかりと勉強に励む必要があります。

<データベースエンジニアに役立つ資格>
・データベーススペシャリスト:データベースに関する幅広い知識と実践力を証明する国家資格
・OSS-DB技術者認定試験:データベースの開発から運用、保守に関する能力を証明する資格
・Professional Data Engineer:Googleが提供する「Google Cloud Platform」の構築や運用能力を証明する資格
・オラクルマスター:世界トップシェアのデータベース「Oracle Database」を扱う能録を証明する資格

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データエンジニアのキャリアパス

データエンジニアになった場合、その先にどのようなキャリアを描けるのか気になる人も多いでしょう。最後に、データエンジニアのキャリアパスを紹介します。

プロジェクトマネージャーを目指す

データエンジニアとして経験を積み、スペシャリストを目指すのが一つめの道です。プロジェクトマネージャーは、企画や提案などのマネジメントから現場でチーム全体をまとめるリーダー的存在までこなす、プロジェクト全体の統括者です。現場を離れずに年収アップ、キャリアアップしたいという人に適した職種です。

より専門性の高い職種へポジションチェンジする

データエンジニアとしての経験を活かし、データ分析の高い技術が求められる専門職へポジションチェンジする道もあります。データエンジニアからのキャリアアップとしておすすめの職種は下記です。

・データサイエンティスト
・データアナリスト
・AIエンジニア など

フリーランスとして独立する

企業でデータエンジニアとして働いた後、独立してフリーランスになる人もいます。本来の業務に加えて営業や事務処理など、すべての業務をひとりで対応しなければならない大変さはありますが、自分の裁量で仕事ができるところは大きな魅力。また、成功すれば企業勤めより収入を上げられる可能性もあります。

データエンジニアは今後も高い需要が見込まれる職種

データエンジニアは、データを活用するコンテンツが増加している今の社会に不可欠な存在です。これからもその需要は高まると考えられるので、将来性の見込める職種であると言えるでしょう。業務は専門性が高く、求められるスキルも高水準ですが、未経験から目指す人も多く見られます。データエンジニアの仕事に興味があるなら、ぜひこの記事を参考に具体的なキャリアパスを描いてみてください。

※記載の情報は、2025年2月時点の内容です。

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