2024年5月7日 更新

パートナーセールスとは?仕事内容やメリット、成功のコツを解説

パートナーセールスは、代理店への支援を通して商品販売を行う営業活動です。営業対象がエンドユーザーではなく、パートナーの代理店であるため、BtoCの営業とは異なる部分が多々あります。そんなパートナーセールスについて、概要や仕事内容、メリット、成功のコツなどを解説します。

パートナーセールスとは

パートナーセールスとは、代理店への営業支援を通して行う営業活動のこと。パートナー営業・代理店営業・アライアンス営業などとも呼ばれる、法人営業のひとつです。パートナーセールスはIT業界・不動産業界・旅行業界・製造業界・保険業界などでよく用いられています。

IT業界では特にSaaS企業(インターネットを通じ利用できるソフトウェアの開発・提供を行う企業)において、よりリサ―チ対象を広げ販路を拡大するために、パートナーセールスがマッチすると考えられています。

パートナーセールスは営業対象がエンドユーザーではなく、代理店であることが大きな特徴です。営業内容に代理店の販売サポートが含まれるため、BtoCの営業とは求められる役割が異なると言えます。

パートナーセールスの具体的な仕事内容

パートナーセールスの具体的な仕事内容を見ていきましょう。業務を網羅的に行う企業もあれば、特定の業務を集中的に行う企業もあります。

1. 代理店の開拓および契約

自社の営業を委託する代理店を新規開拓することは、メインの仕事内容のひとつです。代理店になり得る企業の候補をリストアップし、自社とパートナーの契約締結をしてもらえるよう営業を行います。

2. 営業戦略を立てる

契約締結後、代理店が行う営業に関する戦略を立案します。この部分はマーケティングのカラーが強い業務です。エンドユーザー向けのセミナー・キャンペーンの企画、広告の企画、フェア対応など、販促のための施策企画を行います。

3. 代理店のフォローアップ

連携している代理店の営業活動をフォローすることも、パートナーセールスの重要な業務。自社の商品・サービスの販売ノウハウを提供し、代理店の売上がアップするよう、さまざまな角度から支援を行います。

パートナーセールスにおける仕事のやりがい

パートナーセールスには、幅広いやりがいがあります。例えば、自社以外の企業と連携しながら営業を展開していく面白さもそのひとつ。一緒に営業を行っていくなかで、社外に仲間を得られることもあるでしょう。

またパートナーセールスを行うことで、自社から少し離れた視点で物事を見られるため、視野を広げ成長できることもやりがいと言えます。パートナーと協力し合いながら業務を進めるためチームワークを学べたり、マーケティングに関するスキルを磨けたりなど、パートナーセールスを通して得られるものは多岐にわたります。  

パートナーセールスにおいて求められるスキル

パートナーセールスを行う上では、さまざまなスキルが必要です。パートナーセールスにおいて求められる主なスキルを紹介します。

自社の商品・サービスに関する深い知識

代理店に商品・サービスをよく理解してもらうには、自身が商品・サービスについて詳しく把握していなければなりません。パートナーとして代理店にレクチャーするため、自社製品に関する深い知識は必須です。  

課題解決力

代理店の営業が順調に進むとは限りません。なかなか思うような成果が上がらないことも考えられます。そのような場面では、課題が何かを的確に把握し、クリアするにはどのような取り組みをすべきか導き出す必要があります。こうした対応を行うため、課題解決力も不可欠です。

マーケティングスキル

先にも述べた通り、パートナーセールスはマーケティング業務を担う場面も多々あります。代理店が実施する効果的な販売戦略を企画するため、マーケティングスキルも求められるでしょう。

コミュニケーションスキル

パートナーと上手く協力し営業を進めていくためには、パートナーと良好な関係を築くことも大切。相手が言いたいことを理解する、こちらの伝えたいことを相手に理解してもらうといった意思疎通ができなければ営業活動の成功は難しいため、コミュニケーションスキルも必要です。

パートナーセールスのメリットと注意点

パートナーセールスには独自のメリットが複数存在します。しかし実際に行う場合には、デメリットにも目を向けておきましょう。パートナーセールスのメリットと注意点を解説します。

パートナーセールスのメリット

営業コストの削減は、パートナーセールスで得られるメリットのひとつ。広いエリアで営業を行おうとすると、その分営業を行う人材が必要になります。そして営業を行う人材をすべて自社で雇用するとなると、大きなコストがかかります。しかし、パートナーセールスを活用すれば、実際の営業は代理店社員が行うため、営業を行う人材を雇用するコストが削減可能です。

商品・サービスの販売経路の拡大もメリット。自社で新しく販路を開拓していくことは簡単ではありません。市場調査を踏まえ、何度も営業を重ねながら拡大していく必要があります。しかし、パートナーセールスで代理店と連携すれば、代理店が持っている販路をそのまま営業に活用できます。自社で一から販路を切り開いていくより、短期間で確実に拡大できるでしょう。

パートナーセールスの注意点

パートナーセールスを行う際に注意しておきたいのが、コストの考え方です。自社ですべての営業を行うよりはコストを抑えられますが、一定のコストは発生します。具体的には代理店に支払う手数料など。また、代理店が自社の商品・サービスの営業を行うための環境整備・教育に関するコストが発生することもあります。

加えて、代理店が増えるほど管理がしにくくなることも注意点です。例えば、代理店がこちら側の戦略に沿わない営業などを行う可能性もあります。なかには説明が不十分なまま強引に売り込みを行う悪質な企業なども存在するため、契約段階で十分注意が必要です。

パートナーセールスを成功させるコツ

効果的なパートナーセールスを展開するには、漫然と業務を行うのではなく、工夫も必要です。最後に、パートナーセールスを成功させるためのコツを紹介します。

成功事例を共有する

代理店が複数ある場合、営業が成功している代理店となかなか上手くいかない代理店がそれぞれ発生することもあります。このとき、成功している代理店の事例を他の代理店に共有することがポイントです。成功するためにどのような営業活動を行っているのかなど、詳細な情報をやり取りし合います。

インセンティブを導入する

代理店は自社の商品・サービスだけではなく、他社の商品・サービスについてもパートナー契約を結び販売していることが一般的です。代理店が複数の商品・サービスを扱うなかで、自社の商品・サービスの営業に力を入れてもらうためには、代理店にとってのメリットが必要。販売実績に応じてインセンティブを支払う仕組みなどを導入すれば、パートナーに魅力を感じてもらえる可能性があります。  

代理店と連携しながらパートナーセールスの成果を挙げよう

パートナーセールスは、代理店に自社商品・サービスを販売してもらうために営業を行います。そのため、自社商品・サービスに関する深い知識やマーケティングスキル、コミュニケーションスキルなど幅広い能力が求められますが、その分やりがいも大きいと言えるでしょう。パートナーセールスについて理解し、自分が携わった場合の具体的なビジョンを描いてみてください。

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パートナーセールス

※記載の情報は、2023年3月時点の内容です。

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