2023年1月11日 更新

【2023年版】Pythonエンジニアの資格認定試験とは?おすすめの勉強法も解説

Pythonとは、システム開発を始めアプリやAIなど幅広い分野で利用されているプログラム言語です。近年の機械学習とAI開発の発展により、Pythonエンジニアへの需要が高まっています。本記事ではPythonの概要や資格取得のメリット、Pythonエンジニア向けの資格試験とその勉強法について解説します。

Pythonとは

近年、プログラミング言語の1つであるPythonが注目を集め、エンジニアの需要も高まっています。まずは、Pythonの概要や注目されている理由、Pythonエンジニアの仕事内容を紹介します。

Pythonの概要

Pythonは、オランダ人のプログラマーであるグイド・ヴァン・ロッサム氏によって1991年に開発されたプログラミング言語です。Pythonの用途は、Webアプリケーション、デスクトップアプリケーション、AI開発、データ解析など多岐にわたります。コードの記述が大変シンプルであること、専門的なライブラリが豊富にあることなどが特徴です。

Pythonが注目されている理由

Pythonが近年特に注目を浴びている理由として、AI技術の発展が挙げられます。Pythonには、機械学習やディープラーニングに利用できるフレームワークとライブラリがあることから、AI開発などのプログラム言語として人気が高まっています。

Pythonエンジニアの仕事内容

Pythonエンジニアの仕事内容は多岐にわたります。主なものは以下の通りです。


  • AI開発や機械学習

  • アプリやソフトウェア、Webサイトなどのサーバーサイド開発

  • 科学計算用ライブラリを活用したデータ解析


Pythonエンジニアの資格を取得するメリット

Pythonエンジニア向けの資格を取得すれば、対外的に自分のスキルレベルを証明できます。また、収入や転職においてもプラスに働くことがあるかもしれません。次に、Pythonエンジニアの資格を取得するメリットをくわしく紹介します。  

スキルレベルを客観的に証明できる

資格取得により、Pythonに関する知識・スキルのレベルを客観的に証明できます。近年、機械学習やデータ解析などにPythonが多用されているため、データ分析スキルが証明できる資格を持っておくと役立つでしょう。

収入アップにつながる

能力レベルの証明ができると、収入アップが期待できます。資格手当を支給したり、資格取得を昇進要件に設定したり、といった企業もあるようです。また、Pythonエンジニアは他の言語を用いるエンジニアよりも年収が高い傾向が見られます。

転職に有利に働く

Pythonの資格を持っていることで、転職に有利に働く可能性もあります。スキルシートや口頭での説明よりも、認定資格の方が客観的な能力の判断材料として用いられやすいでしょう。例えば、Pythonのスキルや経験を持った応募者が複数いた場合、資格保有者を優先的に採用する企業が多いと考えられています。

【国内】Pythonエンジニアの資格認定試験4選

国内では、「一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会」が資格認定試験を行っています。実施されている4つの認定試験を紹介します。

1. Python3エンジニア認定基礎試験

◆難易度:プログラミング初心者でも合格しやすい。

Pythonの基本的な文法を中心に出題されます。他のプログラミング言語の知識や経験があれば、比較的取り組みやすいレベルです。プログラミング未経験者は、試験対策と同時にプログラミングの基礎知識を身に付けてから受験すると良いでしょう。

2. PythonZen & PEP8検定試験

◆難易度:それほど高くはない。

Pythonの心得「PythonZen」と、コーディング規約「PEP8」の知識を問う無料の試験です。この言語に関する意識を高めるために実施されています。自分のPythonへの理解度を確認したい人におすすめです。

3. Python3エンジニア認定データ分析試験

◆難易度:日常的にPythonを扱っていれば合格を目指せるレベル。

Pythonを活用したデータ分析の基礎や方法だけではなく、線形代数・基礎解析、確率・統計、Pandas・NumPyなどのライブラリによる分析実践能力も問われます。データ分析に関わるエンジニアを目指す人に向く試験です。

4. Python3エンジニア認定実践試験

◆難易度:4~5年ほどPythonを扱った後、教材で対策すれば合格できるレベル。

この試験では、Python活用の開発プロジェクトに参加可能なスキルや知識を確認できます。2022年5月よりベータ試験がスタートし、同年11月には本試験が実施されました。Pythonを実践する上で重要な、仕様やライブラリの使い方が問われます。

【海外】Pythonエンジニアの資格認定試験4選

「OpenEDG Python Institute」が主催する試験は海外での信頼度が高いので、国際的に活躍したい人におすすめです。どの試験も英語で出題されるので、問題を理解できる程度の英語能力も身に付けておきましょう。なお、以下の試験は日本国内でも受験できます。

1. PCEP – Certified Entry-Level Python Programmer

◆難易度:Python3エンジニア認定基礎試験と同等レベル。

プログラミングの基礎理論やPythonの基礎文法などが問われます。Python3エンジニア認定基礎試験の合格者で、英語の設問回答ができれば合格を狙えるでしょう。

2. PCAP – Certified Associate in Python Programming

◆難易度:Pythonの応用問題レベル。

Pythonでの実務を遂行できるアソシエイトレベルの資格試験。コンピュータープログラミングの基礎理論やPythonの基礎文法に加え、モジュール、オブジェクト指向プログラミングアプローチの基本も出題されます。

3. PCPP-32-1 – Certified Professional in Python Programming 1

◆難易度:開発者やITスペシャリストなどのプロフェッショナル向け。

Pythonを活用したデータ分析のスキルが問われる試験です。ファイル処理やGUIプログラミング、オブジェクト指向プログラミングの応用理論などが出題されます。

4. PCPP-32-2 – Certified Professional in Python Programming 2

◆難易度:Pythonの豊富な知識があり、実務経験が必要なレベル。

PCPP-32-1に合格後、この試験を受験することができます。高度な知識を持ったPythonプログラマーとしてのスキルが問われます。出題内容は、パッケージの作成・配布、デザインパターン、通信、ネットワークプログラミングなどです。

Pythonエンジニアの資格認定試験に向けた勉強法

Pythonの学習方法には、書籍や学習サイト、研修・講座など、さまざまなコンテンツを利用したものがあります。最後に、Pythonの資格試験に向けた勉強法を紹介します。

指定書籍などで学ぶ

「一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会」が指定している書籍を使って、試験の対策ができます。

<主教材>




  • Python3エンジニア認定基礎試験:「Pythonチュートリアル 第4版」など

  • Python3エンジニア認定データ分析試験:「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」など


初心者は、イラストやサンプルを用いてわかりやすく説明されている「Pythonスタートブック [増補改訂版]」を、チェックしてみてください。

Python関連の学習サイトで学ぶ

オンライン学習サイトなどを利用して学ぶのも良いでしょう。プログラミング初学者が取り組みやすいよう、入門編から応用編までステップごとに分けられているものもあります。また、無料で模擬試験を公開しているサイトを活用すれば、本番に近い形で試験対策に臨めます。  

Python関連の研修や講座で学ぶ

「一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会」が認定しているスクールなどで研修や学習講座を受け、学ぶ方法もあります。オンライン学習もあるので、仕事をしながらでも勉強しやすいでしょう。自分が必要なスキルレベルに合わせてコースを選んでみてください。

Pythonエンジニアの資格を取得してキャリアアップを目指そう

Pythonは、近年発展が目覚ましいAI開発でよく使われるプログラミング言語であるため、これを扱えるエンジニアの需要も高まっています。効果的な勉強法を取り入れつつ、自分のレベルに合った資格試験にチャレンジして、キャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。

※記載の情報は、2023年1月時点の内容です。

関連記事