BX DX
2024年5月7日 更新

BX(ビジネストランスフォーメーション)とは?DXとの関連性・成功のポイント

BX(ビジネストランスフォーメーション)とは、システムを用いた業務改革のこと。業務の効率化や売上向上を目的として行われます。本記事では、そんなBXの意味やDXとの関連性を解説。また推進していく上で抱えやすい課題・成功のポイント・事例も、ぜひ自社への対策ヒントとしてチェックしてみてください。

BX(ビジネストランスフォーメーション)とは

BX(ビジネストランスフォーメーション)とは、DX(デジタルトランスフォーメーション)を前提に行う、システムを通した業務改革。基本的には、業務の効率化や売上向上が目的です。具体的には、CRM(顧客関係管理)やERP(企業資源計画)による管理の一元化、社員の意識改革などが該当します。

そんなBXは、BMX(ビジネスモデルトランスフォーメーション)とBPX(ビジネスプラットフォームトランスフォーメーション)という2つの形が存在します。

BMX(ビジネスモデルトランスフォーメーション)

BMXとは、ビジネスモデル自体の改革、もしくは新しいビジネスモデルの創出を行うこと。ビジネスモデルとは、商品またはサービスの付加価値を提供し、収益を獲得するまでの仕組みです。BMXは自社の今までのやり方・戦略を見直し、企業価値を高めることを目的としています。

BPX(ビジネスプラットフォームトランスフォーメーション)

ビジネスモデルプラットフォームの改革をBPXと呼びます。ビジネスプラットフォームとは、ルールの制定やシステム導入といったビジネスモデルを実現するために必要な要素です。BXにおけるビジネスプラットフォームは、基本的にソフトウェアの動作に必要なOS、およびデータベースや設定などを含む基盤そのものと言えます。

BXとDXの関連性について

BXと並行して登場する言葉「DX」。この2つが具体的にどのような接点を持つのかを、ここで解説します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DXとは、2004年にエリック・ストルターマン教授によって提唱されたデジタル変革です。本来はあらゆるシーンに向けて提唱されたものでした。しかし、ビジネスモデルのデジタル化・スマートフォンの普及・働き方改革によるテレワークの推奨などにより、ビジネスシーンの注目度が上がりました。

ビジネスの世界では、ビッグデータやIoT、AIといった技術を使い、業務プロセスの改善やビジネスモデルの変革を目指します。また、組織そのもの・企業文化も改革し、最終的には市場の競争優位性を高めることが目的です。

BXとDXとの違い

BXとDXは、最終的な目的が異なります。BXの目的は業務の効率化、対してDXは社内全体の変革がゴールです。ただし、社内全体の変革には業務改革が必須。つまりDX実現のためには、BXの成功が欠かせないのです。

BX推進で抱えやすい課題3つ

BX推進を始める企業は多いものの、なかなか成功へと一歩近づけられないといった事例は少なくありません。ここでは、BXを目指す上で抱えやすい課題を3つ紹介します。

1. 自社の適応力とIT投資のバランス

自社のシステムに関する適応力が上がっていないままにIT投資をしても、思った結果は得られないでしょう。具体例として、以下のような課題が挙げられます。


  • PCの台数が足りていない

  • IT部門が確立されていない

  • 自社に必要なシステムがわかる人材がいない

  • システムの扱い方を理解している社員が少ない


このような課題を解決しないことには、投資をして導入したシステムが無駄になる可能性があります。

2. 既存システムの老朽化

何年も改修していないシステムでは、サポートの打ち切り・長年使い続けたことによるプログラムの肥大化や複雑化などが原因で、最適な環境を手に入れられません。BXの成功を目指すのであれば、老朽化したシステムの見直しから始める必要があります。

3. 顧客ニーズの変化

BX推進を図りながら、日々変化し続ける顧客ニーズに対応していくのは容易ではありません。BXは数日で成功できるようなものではないため、導入したシステムが定着した頃には新しいシステムが主流になり始めている可能性があります。

とはいえ、導入したシステムが意味をなさないことを恐れて何もしないと、BX実現もほど遠くなるもの。最短ルートでBXを実現する意識を持ちながら、常に顧客ニーズの変化を追う努力が必要です。

BX推進、成功のポイント4つ

BX実現のためには、自社が抱く課題を洗い出し、適切なプロセスとシステムを用意することが大切。BXの成功に必要なポイントを4つ紹介します。

1. 自社の課題を洗い出す

まずは、自社の課題・今後のBX推進を妨げるであろう要素を洗い出しましょう。既存システムが老朽化していないか・社員はBXの重要性を理解できているかなど、細かく見直してみてください。課題は「現在、どのような状態であるのが理想だったか」を基準にすると見つけやすくなります。

2. 解決までの最短プロセスを考える

課題が明確になったら、それに合わせた解決方法を組みます。顧客ニーズの変化に追いつくためにも、解決までのプロセスは最短であるのが理想です。今後の顧客ニーズを予想した上で、自社にとって適切な業務改革を考えましょう。

3. 自社に適したシステムを導入する

自社に不足している要素・踏むべきプロセスが明確になったら、それを補えるシステムの導入を。既存システムについては、BX実現に適したものかを確認します。

新しいシステムは、いきなり社内全体に導入するのではなく、一度少人数のチームで試験的に取り入れるのがおすすめです。万が一自社に合わないシステムだった場合も、損失が少なく早急に対応しやすくなります。

4. AIやRPAで業務の自動化を目指す

AIやRPAといった、業務を自動化するシステムの導入も視野に入れてみましょう。一部の業務だけでも自動化できれば、人手不足の解消・働き方改革へとつながります。

AIについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

人工知能(AI)とは|仕組みや歴史、今後の展望をわかりやすく解説

人工知能(AI)とは、「人工的につくられた人間のような知能」のこと。AIは技術の変遷をたどり、近年の機械学習とディープラーニングの実用化によって、目覚ましい発展と進化を続けています。本記事では、AIの仕組みや歴史を踏まえ、今後の展望や身近な活用例、現在抱えている課題について解説します。

BXの推進事例

BXに取り組む企業は既に多く存在しています。最後はBXの推進事例を2つ見ていきましょう。

人材育成に力を入れた事例

ある企業では、人材育成におけるBX推進に力を入れています。具体的には、デジタル分析の基礎や新しい価値を創出できる人材の育成プログラムを実施。加えて、AI・機械学習などに関する社内研修も行っています。

アプリの導入により顧客ニーズに応えた事例

ある金融企業は、バンキングアプリをリリース。顧客が「いつでも・どこでも・簡単・便利」に、バンキングを利用できるようになりました。これによって顧客接点が増やし、よりニーズを捉えやすくなるのも狙いのうちです。また、分析用のソフトウェアも導入しています。

BXの推進で自社の新たな成長を

BXの成功は一朝一夕で叶うものではありませんが、地道な取り組みによって得られる成果は大きいもの。業務効率が高くなって社員の負担が減らせるのはもちろん、これまで答えられなかった市場のニーズに、着実に・いち早く対応できるようになります。ぜひ自社の抱える課題を1つずつ解決し、BXの成功を目指してはいかがでしょうか。

※記載の情報は、2023年6月時点の内容です。

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