2023年2月14日 更新

UX(ユーザーエクスペリエンス)とは?UIとの違いや顧客体験向上のポイントを解説

UXとは、ユーザーが製品やサービスなどを通して得られる体験を意味します。UXを向上することは、より良い製品やサービスの提供につながります。UXの意味や重要性、似た言葉であるUI・CXとの違いをわかりやすく解説するとともに、UXを向上させるポイントやUXの成功事例を紹介します。

UXとは?

まずはUXとは何かを理解しましょう。UXの意味や、今UXが重要視されている理由を紹介します。  

UXとはユーザーが得られる体験のこと

UXとは「User Experience:ユーザーエクスペリエンス」の略語。ユーザーが製品の購入やサービスを利用して得られる体験のことです。アプリの利用を例にすると、「操作が分かりやすい」「デザインがきれいで見やすい」「知りたい情報にすぐたどり着ける」などが挙げられます。UXの改善は、利用者にとってより良い製品やサービスの提供を実現します。

UXの重要性

製品やサービスの利用において、「モノ」の価値だけではなく「体験」を重要視するユーザーが増えてきました。またインターネットの普及により、さまざまな製品やサービスの比較が簡単にできるようになりました。他との差別化を図るためにも、ユーザーにより魅力的な体験を提供することが求められています。

デジタル技術を用いた変革であるDX推進においても、UXデザインは重要です。経済産業省の「DXレポート」でもユーザー視点に立ったデザイン思考を活用し、UX設計ができる人材の育成・確保の重要性が指摘されています。

UX・UI・CXの違い

UXの要素の1つであるUIや、同じ顧客体験を重視するCX。UXとどのような違いがあるのか解説します。

UXとUIの違い

ユーザーの体験を指すUXに対して、UI(User Interface:ユーザーインターフェース)は、ユーザーとの接点を指します。Webサイトの例を挙げると、ページ上のデザインやボタン、フォントなどがUIにあたります。

UI・UXは、まとめて語られることもよくあります。UIが優れたWebサイトやアプリであっても、ページの読み込みが遅かったり、コンテンツが充実していなかったりすると、ユーザーは満足のいく体験を得られません。そのため、UIはUXを向上させる要素の1つと言えます。

UXとCXの違い

CX(Customer Experience:カスタマーエクスペリエンス)とは、製品の購入やサービス利用の前から、その後のサポートまでに得られる顧客体験のこと。例えば、製品の購入を通して得られるユーザー体験がUXであるのに対して、CXには製品の認知やアフターフォローなどの工程も含まれます。同じ顧客体験を重視する用語ですが、CXはUXよりも包括する範囲が広くなります。

UXを向上させる4つのポイント

UXを向上させるには、ユーザーのペルソナやUXデザインの目的・ゴールを明確にし、ユーザー視点に立つことが重要です。UXを向上させるためのポイントを紹介します。

1. ペルソナを具体的に設定する

製品やサービスを利用するユーザーはどのような人なのか、ペルソナを具体的に設定しましょう。性別・年齢・家族構成といった属性や利用シーンにより、製品やサービスに対して求めるものが変わってきます。ペルソナを設定することで、その人がサービスを利用する際の体験がイメージしやすくなります。悩みや不満点を想像してUXをデザインすれば、ユーザーの満足度アップにつながるでしょう。

2. UXデザインの目的やゴールを明確にする

ペルソナを具体的に設定したら、UXデザインの目的とゴールを明確にします。Webサイトの場合、誰に向けた何のためのものなのか、その目的によってUXデザインの方向性も決まってきます。開発側の都合ではなくユーザー目線でデザインすることが重要。さらに売上の向上や新規ユーザーの獲得など、最終的なゴールを設定すれば、UXのみならずUIデザインの方向性も定まります。

3. ユーザー体験をイメージする

ユーザーが自社の製品やサービスを利用する前の段階から、どのような体験が得られるのかイメージすることもポイントです。そこで活用したい手法が「カスタマージャーニーマップ」。製品やサービスの購入に至るまで、ユーザーの行動や感情、嗜好を時系列に表し可視化する手法です。これを用いることで、よりユーザー体験をイメージしやすくなります。

4. ユーザー視点で製品・サービスを体験する

ユーザー視点に立ち、製品やサービスを実際に体験することも大切。ユーザー調査の手法としてよく使われているのが、「ヒューリスティックマークアップ」です。この手法では、ユーザーになりきって行動し、感じたことや発見したことを記録。そこから改善点を見出します。ユーザー視点に立つことで、開発者側の視点では発見できなかった問題点や改善点が把握しやすくなります。

UXの成功事例

UXを向上させることで、ユーザーや顧客の獲得に成功している企業は少なくありません。最後に、優れたUXデザインを取り入れている成功事例を紹介します。

1. 欲しい情報がすぐ手に入る「検索エンジン」

わかりやすい成功例が、検索エンジンの上位にアンサーボックスが表示される機能。1つのキーワードを入力して検索すると、すぐにその答えが分かるため、ユーザーは快適な体験を得られます。自社サービスの利用機会を高めることに成功している事例です。

2. 画面1つでやり取りが完結する「メッセージアプリ」

画面1つで簡単にメッセージのやり取りができるメッセージアプリもUXデザインの成功事例。メールでのやり取りには、受信箱を開いて探す手間があります。しかしメッセージアプリなら、相手とのやり取りが時系列に並ぶため、1つの画面上で完結できます。

またスタンプ機能を利用することで、文字にしなくても気持ちが伝わります。グループ機能で複数人と気軽にコミュニケーションがとれるのも魅力。若者から高齢者まで簡単に操作できるUIデザインも、UXの向上とユーザー獲得につながっています。

3. フリーマーケットを自由に開催できる「フリマアプリ」

オンラインでフリーマーケットの体験ができるフリマアプリも、優れたUX事例です。実際のフリーマーケットでは、参加したくても開催場所へ行けないことがあります。しかしフリマアプリでは、オンラインで売買の取引が完結するため、気軽に利用できます。

また、情報の投稿や取引、発送に至るまで簡単にわかる利用ガイドも設置。優れたUIデザインにより、ユーザーは細かい説明書を見なくても快適にサービスを利用できます。

UXを改善して製品・サービスの向上を目指そう

ユーザーが製品の購入やサービスの利用などを通して得られる体験であるUXの向上は、より良い製品やサービスの提供につながります。ユーザーの視点に立ち、問題点を把握することがユーザー体験の改善になるでしょう。成功事例なども参考にして、UXの向上に取り組んでください。

※記載の情報は、2023年2月時点の内容です。

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