2024年7月2日 更新

プログラマーとエンジニアの違いを比較|仕事内容から将来性まで一挙解説!

プログラマーもエンジニアのひとつとして数えられますが、プログラマーとエンジニアでは一般的に担当する業務の範囲に違いがあります。この記事では、仕事内容、必要なスキル、役立つ資格など、項目ごとにプログラマーとエンジニアの違いを詳しく解説。どちらを目指すべきか悩んでいる人向けのQ&Aも紹介します。

プログラマーとエンジニアの違いとは?

はてなマークに手を添えるビジネスマン

ITエンジニアやシステムエンジニア(SE)はIT関連の技術者の総称として使われることが多く、プログラマーもエンジニアの一部に含まれます。ただし、一般的にエンジニアというとプロジェクト全体に携わり開発を進めていく立場として捉えられています。

一方、プログラマーはシステム開発の中でプログラミング業務を専門として従事するのが主な違いです。次項から、それぞれの違いを項目ごとに詳しく解説していきます。

プログラマーとエンジニアの違い①仕事内容

一般的にプログラマーはプログラミングを専門に行い、エンジニアはその上流にあたる仕様書作成に従事する例が多いようです。まずはプログラマーとエンジニアの詳しい仕事内容を紹介します。

プログラマーの仕事内容

プログラミングを行うエンジニア

プログラマーは、エンジニアが作成した仕様書に基づきコーディングを行うのが主な仕事内容です。基本的にプロジェクトの企画やシステム設計には携わらないので、クライアントと顔を合わせることはめったにありません。プログラミングが完了すればシステムが正常に稼働するかテストを行い、問題があれば修正を施し、仕様書通りに動作するまで責任を持って業務にあたります。

エンジニアの仕事内容

ミーティングをするビジネスマン

エンジニアは、クライアントへのヒアリングから要件定義、設計、構築、運用、保守まで、システム開発に一貫して携わることが多い職種です。企業やチームによっても異なりますが、メインの仕事内容はクライアントの要望をヒアリングして要件定義にまとめ、要件を実現するための仕様書を作成するまでを担当するのが一般的です。

自ら構築を行うよりも、クライアントと現場との橋渡し役として活躍します。システム開発の上流工程にあたるため、プログラマーの上位職と捉えられています。

プログラマーとエンジニアの違い②必要なスキル

パソコンを操作するビジネスマンとスキルのイメージ

同じプロジェクトに参画していたとしても、担当する業務が異なれば求められるスキルにも違いがあります。プログラマー、エンジニアとして活躍するために必要なスキルを紹介します。

プログラマーに必要なスキル


  • プログラミングスキル

  • 集中力

  • 論理的思考力


コーディングをメインに担当するプログラマーには、プログラミングスキルは必須です。必要なプログラミング言語はプロジェクトによって異なりますが、よく使われるJavaやPHP、Perlなどを習得しておくと活躍できるでしょう。パソコンに向かってもくもくと行う単調な作業が続くため、集中力があることも大事な要素となります。

また、渡された仕様書通りに設計するとはいえ、質の高いプログラミングを行うためには、自らも論理的に考える力が必要です。

エンジニアに必要なスキル


  • コミュニケーションスキル

  • マネジメントスキル

  • プログラミングスキル

  • 論理的思考力


エンジニアには、クライアントの要望を漏れなく聞き取り、的確に理解して要件に落とし込む力が求められます。そのため技術面よりも、高いコミュニケーションスキルやマネジメントスキルが重要視される傾向です。

とはいえ仕様書作成にあたっては、実際にプログラムを構築できる程度の知識がないと業務にあたるのは難しいでしょう。専門性の高いプログラマーと比べると、エンジニアの方が幅広いスキルが必要となります。

プログラマーとエンジニアの違い③役立つ資格

積まれた本と合格証書

プログラマー、エンジニアになるために資格は必須ではありません。しかし関連する資格を取得しておくと、転職やキャリアアップを目指す際に有利になります。それぞれに役立つ資格を紹介します。

プログラマーに役立つ資格


  • 基本情報技術者試験

  • Javaプログラミング能力認定試験

  • Oracle認定Javaプログラマ

  • PHP技術者認定試験

  • Ruby技術者認定試験

  • C言語プログラミング能力認定試験 など


基本情報技術者試験は、経済産業大臣が認定する国家資格です。ITに関する基本的な知識を幅広く問われる試験で、ITについて体系的に学びたい場合におすすめ。未経験からでも取得を目指しやすい点もポイントです。

その他は、プログラミング言語に関する認定資格です。どの言語が必要かはプロジェクトによって異なるので、よく使うものから取得を目指すと効率的です。

エンジニアに役立つ資格


  • 基本情報技術者試験

  • 応用情報技術者試験

  • システムアーキテクト試験

  • ネットワークスペシャリスト試験

  • プロジェクトマネージャー試験

  • オラクルマスター試験  など


応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位資格にあたる試験です。幅広い工程に携わるワンランク上のエンジニアを目指すなら、知識の証明に役立つでしょう。

その他、設計に携わる場合はシステム設計スキルの証明となるシステムアーキテクト試験や、ネットワーク構築の知識が問われるネットワークスペシャリスト試験など、状況によって幅広い選択肢があります。

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転職するならどっち?プログラマーとエンジニアを比較

パソコンの前に置かれた天秤

最後に、転職を目指す際によくある疑問について解説します。プログラマーとエンジニアのどちらを目指すべきか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

年収が高いのは?

プログラマーの平均年収は400万円ほど、エンジニアの平均年収は500万円ほどが相場です。スキルや経験によっても異なりますが、一般的にエンジニアの方が年収は高い傾向があります。理由としてはエンジニアの方が業務の幅が広く、場合によってはエンジニアがプログラマーの業務を兼任することもあり、より多くの知識が求められるためです。

年収アップを見込むなら、プログラマーからエンジニアを目指すキャリアパスもあるでしょう。エンジニアのキャリアパスとしては、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなど、経験を活かしたより上位の職種が候補にあがります。

将来性があるのは?

急速な発展を遂げながらも慢性的な人手不足に悩まされているIT業界においては、将来性はどちらも明るいと考えられます。しかし強いて比べるのであれば、将来性の高さが見込まれるのはエンジニアといえそうです。

近年AI技術の発展が目覚ましく、AIの代替によりプログラミングの必要がなくなる場面が増えると予想されています。AIが代替できないクライアントとの密なやりとりができる、対人スキルが高いエンジニアは、これからも重宝される可能性が高いといえます。

向いている人の特徴は?

<プログラマーに向いている人の特徴>


  • 好奇心が強く新しいことに挑戦するのが好きな人

  • ものづくりにやりがいを感じる人

  • 粘り強い人


<エンジニアに向いている人の特徴>


  • 人との関わり合いを持つのが好きな人

  • 不測の事態にも冷静に対処できる人

  • 探究心が強く学習意欲が高い人


プログラマーにはある程度没頭して作業をこなせる人、エンジニアには周りをよく見てコミュニケーションをとりながら目標に向かえる人が向いています。仕事内容と合わせて、自分に向いているのはどちらか考えてみてください。

適正の見極め方は?

適正の見極め方はさまざまありますが、適性検査を受けてみるのが簡単な方法です。プログラマーに必要な能力を数値化するCABテストや、ビジネスに関する一般的な知識、思考力を数値化するGABテストなどが企業の採用選考でよく用いられています。料金はかかるもののWebでも受けられるので、「やっぱり向いてなかったかも」と目指し始めてから後悔しないよう、前もって確認しておくのも良いでしょう。

その他、必要なスキルを勉強し始めてみて雰囲気をつかんだり、未経験可の求人に応募して実際に働き始めてみたりするのもおすすめです。

プログラマーとエンジニアの違いは担当する領域

パズルのピースを持ち寄るビジネスマン

どちらもシステム開発に携わるプログラマーとエンジニアですが、一般的にプログラマーはプログラミングのみを担当し、エンジニアはプロジェクト全体に関わるのが主な違いです。発展を続けるIT業界においてどちらも将来性は明るく、スキルを磨けば年収アップも見込めるでしょう。ぜひ自分に向いている方を見極め、転職に役立ててください。

※記載の情報は、2024年7月時点の内容です。

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