2024年9月12日 更新

転職は何歳までが有利?年代別の傾向や転職におすすめの業界も紹介

「転職をしたい」「職種を変えたい」と思っていても、年齢が気になり転職活動を始められない人も多いのではないでしょうか。この記事では、転職は何歳までにした方が良いのか、年代別の転職の傾向やおすすめの転職先を紹介します。これから転職をしようと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

転職は何歳まで?年齢・性別に差はある?

人手不足が続く現在は、年齢問わず転職の成功のチャンスがありますが、キャリアチェンジを目指すなら早い方が良いでしょう。まずは、何歳までに転職をすると成功しやすいのか、年齢や男女別の差も見てみましょう。    

転職に年齢制限はないが若い方が成功しやすい

転職できるのは「何歳まで」という制限はありませんが、やはり若い方が有利と言えます。その理由は、若い応募者の方が長期間企業に貢献する可能性が高いためです。ただし、企業は教育コストの回収を重視するため、実績があれば年齢の高さが不利にならないケースもあります。

転職者が多い年齢は25~34歳

2024年3月に発表された総務省の「労働力調査(2023年)」によると、転職者数は 328万人、その中で一番多い年代は25~34歳の82万人です。転職者は前年に比べ25 万人増加(2年連続の増加)し、転職希望者数も年々増えています。比率で見ると20代前半が多い傾向ですが、40代以上の転職成功者の割合も少なくありません。転職者の平均年齢も年々上昇しています。  

総数(万人) 15~24歳 25~34歳 35~44歳 45~54歳 55~64歳 65歳以上
328 58 82 59 57 50 22

近年は女性の転職も増加

「労働力調査(2023年)」の転職者数を男女別に見ると、男性は151万人(+12万人)、女性は177万人(+14万人)と女性の転職も増えています。性別と年齢別の転職者の割合は、以下の通りです。  

総数(万人) 15~24歳 25~34歳 35~44歳 45~54歳 55~64歳 65歳以上
151 26 38 27 20 27 13
177 32 44 33 37 23  9

転職等希望者では、男性は 511万人と前年比より14万人の増加、女性は496万人で25万人も増加しています。今後も転職者の増加が推測されます。

総務省「労働力調査(2023年)」

転職35歳限界説は昔の話

35歳転職限界説とは、年功序列が当たり前だった時代に生まれた説です。当時は定年までの勤続が前提で、35歳からのキャリアチェンジは困難でした。現代は少子高齢化でミドル世代の需要が増加し、労働人口減少により20代の労働者も不足しています。

また、マネジメント可能で即戦力のある人材を求める企業も増加しました。売り手市場では、20代だけではなく、30代、40代の人材も求められます。他にも28歳や32歳の転職限界説がありますが、現代では当てはまりません。

【年代別】転職の傾向

どんな業種が成功しやすいかは、年齢やこれまでの経験によって異なります。若いうちは未経験でも採用される機会がありますが、年齢が上がるにつれて、スキルや実務経験が求められます。年代別の転職の傾向を見てみましょう。    

20代は成長意欲があれば未経験でもOK

20代では、営業職、事務系、次いでIT関連の転職が多く見られます。未経験の業種・職種にチャレンジするのであれば、20代での転職がおすすめです。20代前半では第2新卒(新卒1~3年目)の採用枠もあります。スキルよりも成長意欲や仕事への熱意、ポテンシャルの高さで採用される傾向があります。

20代後半も基本的なビジネススキルを既に身につけていることから、採用されやすいと言えるでしょう。20代後半では、コミュニケーション力や課題設定力なども求められます。

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30代は実務経験やスキルが求められる

30代前半は営業系の転職が多いですが、30代後半になると企画・管理系やエンジニア系の職種への転職も多く見られます。現代は人手不足により年齢よりスキルを重視する企業が増加。30代は企業の即戦力として期待され、 同業界での実務経験やスキル、新人育成の経験なども求められます。またリーダーとして活躍できるかも採用のポイントです。

40代はマネジメント経験が求められる

40代の転職は企画・管理系やエンジニア系が多いですが、より組織への貢献が期待される傾向です。マネジメント経験や、人を動かして成果を上げる能力が求められます。前職で部下やチームメンバーのマネジメント・育成を通じて売り上げに貢献したといったアピールポイントがあると良いでしょう。一方、未経験業界への転職は難易度が高いと言えます。

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転職におすすめの業界4選

ここからは、転職を考えている人向けにおすすめの業界を紹介します。人手不足が続く業界では、未経験で募集をしているところもあります。キャリアチェンジをしたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。

1. IT業界

IT業界は、未経験者にもおすすめの成長産業です。スキルや資格取得で年収アップも期待できます。コロナ禍を経てインターネットサービスの需要が急増したことから、IT業界は業績を拡大し、求人数も増加しています。需要が高くなる一方で人材が不足している状況です。未経験者の採用も多いため、キャリアチェンジしたい人にもおすすめです。

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2. インターネット広告業界

インターネットの広告業界も急成長中で、今後も成長が期待できる業界です。スマートフォンの普及とコロナ禍の影響が成長の要因。未経験者でも営業や制作ディレクター職への転職が可能です。この業界では、コミュニケーション力も求められます。広告業界の経験は他業界でも役立つスキルとなるでしょう。

3. 製造業

製造業も未経験で転職しやすい業界。工場のライン業務は、特殊なスキルを必要とせず未経験者にもチャレンジしやすい内容です。IT化が進み労働条件も良くなってきています。大手企業のライン業務であれば、給料や待遇も悪くありません。製造の職種ではなく、IT関連のスキルがある人の求人も見られます。

4.医療・介護業界

医療・介護業界は少子高齢化による需要の拡大で人手不足が深刻なため、未経験者でも転職しやすい業界と言われています。仕事が過酷であるイメージが強いですが、国や企業から資格取得のサポートを受けられる企業もあります。電子カルテの導入などIT化が進んでいるため、ITスキルを活かす仕事も少なくありません。

転職は何歳でもチャレンジできる!

転職は何歳までといったような年齢制限はありません。年功序列型がなくなりつつあり、現在は年齢よりもスキルを重視している企業が増えています。ただし、キャリアチェンジをしたいなら20代のうちに転職をする方が有利。30代以降はスキルと実務経験を活かせる転職先を選ぶと良いでしょう。

※記載の情報は、2024年8月時点の内容です。

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